2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760289
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
池本 有助 富山大学, 理工学研究部(工学), 助教 (10377822)
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Keywords | 協力行動 / 群ロボット / 役割分担 |
Research Abstract |
本研究では,人の協力行動の発現機構を「集団の振る舞い」と「個体の行動」及び「脳内機構」を統合的に理解し,協力行動を誘導する手法を構築することを目的としてきた.申請者はこれまでに,シロアリの分業行動に注目し,協力行動の維持を可能としているのは,一種類の体内ホルモンによっても可能であるということを,数理モデル化することにより構成論的に明らかにしてきた.これらの研究により,社会システムにおける協力行動に関する新たな知見を得た.そのため,協力行動における価値判断基準生成と意思決定の機構のモデリングのための基礎研究を十分に行う必要性が生じたため.本年度はさらに,群ロボットの分業制御アルゴリズムに提案モデルを適用し,協力行動の集団としての最適性を示した.これらの研究結果から,分業行動を決定するという,いわば,社会システムと個体の意思決定を結ぶメディエイタの役割を担う,機構モジュールの存在が重要であるという示唆を与えた.本研究結果では,人による協力行動を内包した集団ゲームの実験システムを構築し,協力行動の発現機構を構成した.今後の協力行動の誘導手法を工学的視点から構築のための知見を得た.提案した研究構想の実現によって,協力行動制御の方法論か確立され,実社会に適用することで,教育現場における組織形成の誘導や,企業レベル,国家レベルでの社会システム維持のための,戦略指針の決定のための方法論などに,幅広く貢献することが期待される.
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