2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境中における粒子状アレルゲンのリアルタイム計測マイクロ流体デバイスの開発
Project/Area Number |
22760295
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
荒川 貴博 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (50409637)
|
Keywords | マイクロ流体デバイス / マイクロ流体システム / マイクロ流路 / 三次元構造体 / PDMS / MEMS技術 / アレルゲン / 環境計測 |
Research Abstract |
・マイクロ開口を有する粒子状物質の捕捉のためのマイクロ流体デバイスの作製 環境中に存在するダニアレルゲンおよび含有するタンパク異質などの微小粒子状物質を取り込むための、新規のマイクロ流体デバイスの作製を行った。3次元構造を有する流体デバイスを作製するため、加工性に優れるポリジメチルシロキサン(PDMS)をデバイス材料として用いる。マイクロ流路の上面に大気中に浮遊する気相成分や微小粒子を通過させるためのサイズ選択性を持たせたPDMS薄膜を貼り合わせた構造とした。このマイクロ開口を通してマイクロ流路中の溶液に溶解させるデバイスの作製を行った。大気中に存在する粒子状アレルゲンの回収のため、サイズに応じた開口部を作製することで、選択的に目的のアレルゲンをマイクロ流路内に取り込むことを行った。実際に開口部を有する三次元デバイスを作製し、設計通りのデバイスの作製に成功した。マイクロ開口部への疎水表面修飾についても検討をおこなったところ、フッ素樹脂を含むスプレー処理にて表面を疎水性に長時間維持することを実現し、マイクロ開口部からの液体の漏れを抑えることを実現した。 ・気相・液相の混相流を用いたタンパク質抽出のためのマイクロ流体デバイスの作製 マイクロ流体デバイス上でアレルゲン含有のタンパク質を溶解させる溶媒を導入し、タンパク質をマイクロ液滴中に回収するデバイスを作製した。マイクロ流路の合流部においては層流を形成せず、カプセルのような形状のマイクロ液滴を生成に成功した。マイクロ液滴とその間の気体の体積は、それぞれ導入する流体の流量に依存しているため最適化を行った。マイクロ液滴と気体との界面がマイクロ流路壁に接する形状の場合、タンパク質を抽出したマイクロ液滴は、他のマイクロ液滴と接することなくマイクロ流路中を移動していくため、希釈されずに微量なカプセルとして取り扱うことが可能であると確認された。
|
Research Products
(5 results)