2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760306
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 一歩 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (40351457)
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Keywords | 酸化亜鉛 / トランジスター / スパッタ成長 / ガラス基板 / 電解質溶液ゲート / 免疫センサー |
Research Abstract |
免疫センサーの母体である溶液ゲート酸化亜鉛(ZnO)系電界効果トランジスター(FET)を試作するにあたって,まず,現有の高周波マグネトロンスパッタ装置を用いてガラス基板上に多結晶のZnO/酸化マグネシウム亜鉛(ZnMgO)ヘテロ構造膜を作製した.成膜中に導入する酸素とアルゴンのガス分圧を最適化するとともに,伝導層であるZnO膜の厚さと不純物であるインジウム(In)のドーピング量を最適化した.膜の厚さ測定には,当該補助金で今年度に購入した多層・膜厚測定器を使用した.次に,作製したヘテロ構造膜に対してプラズマエッチングとフォトリソグラフィを組み合わせて,電解質溶液ゲート電界効果トランジスター(FET)素子を試作した.ここで,ゲート絶縁膜には,絶縁性に優れ,かつ,酸やアルカリ溶液に対して耐性の高い五酸化タンタルを採用した.また,電極保護膜としてネガ型のエポキシ系レジストSU-8を採用した.素子を微細化(ゲート長さを3mmから0.05mmへ変更)するとともに,ソースとドレイン電極の接触抵抗を低減したことで,FETの性能指数を示す伝達コンダクタンスが0.09mSから3mSへ大きく改善された.さらに,検出対象となる抗体に対して特異吸着する核酸分子アプタマーを探索し,FET素子のゲート絶縁膜表面に化学吸着させるための構造を検討した.今後は試作した素子のセンサーとしての性能を調べるとともに,核酸分子アプタマーをゲート表面に固定化する方法を検討する.
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Research Products
(13 results)