2010 Fiscal Year Annual Research Report
面型パターン照明を用いた金属光沢面評価法の開発およびそれを利用した粗さ推定
Project/Area Number |
22760308
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Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
杉野 直規 大島商船高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (90294529)
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Keywords | 光沢評価 / パターン照明 / 面型照明 / 画像処理 / 表面粗さ / 外観検査 |
Research Abstract |
面型パターン照明を用いることで一度に広範囲を評価する金属面光沢評価法の開発を目的とし,本年度は以下のような成果が得られた。 1.表示デバイス(液晶ディスプレイ)を用いて,パターンの瞬間的な切替が可能な面型パターン照明システムを構築した.蛍光灯を用いる面型照明に比べ,パターンを切り替え多数の画像を得て総合的に評価するなど様々な応用が可能となる。 2.金属面の製法(ヘアライン処理など)に起因する光沢の異方性(方向による光沢度の違い)を光沢評価の際に考慮するため,パターンを回転し評価する手法を開発した。その際,画像処理部で複数の画像を一括して処理できるようにし,評価の効率化を図った。 3.光沢評価のためのパターン反射像の評価値として,画像濃度値の分散値が有効であることを実験により確認した。なお,評価値については他に様々なものが考えられ,また今後の光沢評価による粗さ推定の検討において,他の評価値も必要とされる可能性があるため継続して検討を行う。 4.パターンの大きさと得られる評価結果の関係を検討するため,パターンサイズを変更する実験を行った。サイズの違いにより評価値(分散値など)が異なることがわかり,サイズを小さくすると評価値が一様に小さくなることから,表面粗さとパターンサイズ・方向に関係性が見いだせる。そのため,表面粗さの推定に光沢評価値を利用できる可能性があることが分かった。平成23年度はこのことより光沢評価値を利用した粗さの推定を中心に検討を行う予定である。 5.研究者代表者らが開発してきた光学的シミュレーション手法を援用することで,パターン投影の状況をシミュレーションである程度再現できることが分かった。今後は実験とシミュレーションを組み合わせて精度の高い評価手法を目指す。 なお,本年度は所属組織の施設改修のため予定より研究計画に遅れ生じたため成果発表は次年度に先送りした。
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