2011 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーハイビジョン用次世代光ディスクシステムの高速高精度サーボ系の開発
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22760316
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
佐沢 政樹 苫小牧工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教 (10556666)
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Keywords | 制御工学 / モーションコントロール |
Research Abstract |
本研究課題では,超薄型光ディスクと近接場光を用いた次世代大容量光ディスク装置のための高速・高精度サーボ制御系の実現を目的としている。光ディスク記録装置の情報転送レートを向上させるために,光ディスクの回転速度を増加させると,回転速度に同期した周期外乱や,その高調波成分の影響が大きくなる。このため,より高精度なトラッキング制御技術が必要である。 平成23年度は,高精度な制御を実現するフォーカス制御系を提案した。制御系はフィードバック制御器である高ゲインサーボコントローラ(HGSC)と,フィードフォワード制御器である零位相誤差追従(ZPET)制御器から構成される。また,トラッキングアクチュエータ,フォーカスアクチュエータ,トラバースアクチュエータの3つのサーボ系すべて(3次元サーボ)に対して,高速高精度トラッキングサーボ制御を行う制御系をDVD実験機に対して設計した。さらに,実機実験の結果から提案した制御系の有効性を確認した。 提案する「高調波抑圧を考慮したエラー予測型FF制御系」の有効性を確認するために,CD実験装置とDVD実験装置にて実証実験を行い,従来の手法に比べ,トラッキングエラーの抑圧に対して有効であることを確認した。基本波抑圧に加え,高調波抑圧を考慮した制御系を提案し,これまで到達出来なかった,高速高精度なトラッキング制御系を実現した。また,CD,DVD実験装置の両方で実験を行い,制御系の有効性を確認したことで,提案手法は一般性があり,他のトラッキング制御系に対しても広く応用可能であり,工学的,学術的に意義のあるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微細なトラックピッチに対応したレーザースポット径を得られる近接場光ピックアップが使用できないため,従来のDVD実験装置による実験を行っている。新しく3次元エラー予測型高速高精度サーボ系を開発し,偏芯・面ぶれを持つディスク表面のトラックに3次元的にビームスポットを追従させることで,高速高精度なトラッキング制御を実現した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は実用化を視野に入れた制御装置のプロトタイプを作製する。新しく開発する制御系の実験装置は,高価な浮動小数点DSPではなく,低価格で汎用性の高い固定小数点DSPとFPGAの組み合わせで実現する。これにより,より高速な演算周期を実現させ,トラッキングエラーの抑圧を狙う。
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