2011 Fiscal Year Annual Research Report
実時間最適化に基づく高性能再構成可能制御システムの構築
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22760319
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
和田 信敬 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50335709)
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Keywords | 実時間最適化 / 再構成可能 / フィードバック / 軌道計画 / 時変拘束 |
Research Abstract |
本年度は,制御アルゴリズムの改良による制御性能の向上手法の構築,および,実機検証のための実験装置の製作を行った.以下に,それぞれの概要を示す. (a)性能向上のための制御アルゴリズムの改良:前年度の研究により,時変な入力飽和を有するシステムを高性能に制御する制御器の構成法を示した.提案制御器は,飽和レベル依存可変ゲイン制御器を終端状態制御器として用いるdual-mode型モデル予測制御器と,目標軌道の実時間再計算機構から構成される.本年度は,終端状態制御器として,飽和状態を許容する制御則を用いる手法を構築し,この場合にも,アルゴリズムの可解性,目標値への追従性が保証されることを示した.また数値例により,目標値への追従性能を格段に高めることが可能であることを確認した. (b)リアルタイム最適化環境の構築:本研究の制御アルゴリズムは,制約付きの凸最適化問題を毎時刻解く問題に帰着される.本年度は,内点海に基づく数値解法をMatlab/Simulinkを用いてPC上に実装した.その結果,提案制御アルゴリズムを数ミリ秒程度の時間で計算可能であることを確認した. (c)実験装置の構築:提案制御手法の有効性を実機検証するための環境整備を行った.具体的には,ロボットアーム実験装置,および,車両耐故障制御実験のためのドライビングシミュレータを作成した.前者は,飽和レベル可変システムとしてモデル化出来る最もシンプルな実験装置である.後者は,より現実的な制御問題への適用可能性を確認するための装置である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,提案制御アルゴリズムの基本的な部分に関する成果が,国際誌(SCIに登録)に掲載決定され,さらに,この手法の制御性能を向上させる手法を構築することに成功した.さらに,その有効性を検証するためのソフトウェア環境,並びに,実機実験環境の整備も進んだ.これらのことから,当初計画通りに順調に進んでいるものと評価出来ると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度までの成果により,基礎となる制御アルゴリズムは構築できた.本年度は,提案制御アルゴリズムを具体的な制御問題に適用し,その有効性を,数値的,並びに,実験的に検証する.具体的には,昨年度構築したロボットアーム実験装置に提案制御手法を適用し,標準的なモデル予測制御則と比較して高い目標値追従性能を達成出来ることを実験的に確認する.また,より現実的な制御問題としてSteer-by-Wire車両の耐故障制御問題を採り上げ,高次・多変数のシステムにおける有効性を検証する.
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Research Products
(4 results)