2011 Fiscal Year Annual Research Report
通信量制約を陽に考慮した新しい動的量子化器の解析・設計手法の構築
Project/Area Number |
22760322
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡島 寛 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (40452883)
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Keywords | 動的量子化 / LMI / 最適制御 / 通信容量制約 |
Research Abstract |
ネットワーク社会における情報圧縮の重要性から,信号の量子化に関する研究は古くからなされている.無線通信機器を用いた遠隔手術などではネットワークを介して得た信号を用いて制御するが,通信容量が有限であるため,通信を介さない場合と比べた制御性能の劣化が生じる.これに対して,動的量子化器を用いた信号データの圧縮は,データの丸め(量子化)に起因する制御性能劣化が少ないものとして知られるが.通信容量の制約を陽に満たすことを前提とした量子化手法は従来考えられていない.本研究はこの解決を目的として遂行している. 本年度,動的量子化器の同時設計問題を考えるための端緒として,与えられた動的量子化器の適用条件,性能を評価する手法の構築を行った.具体的には,量子化器の性能およびどれだけの通信容量があればその動的量子化器が利用可能となるかの解明を過去の研究成果に基づいた解析手法として導いた.具体的には,LMI最適化問題に準じた設計問題に帰着させることで数値的に動的量子化器の性能解析値を求める手法を提案した.さらに,これに基づいた設計法を導出した.導出した設計法はイタレーションを利用したアルゴリズムとなっており,解の保守性は残るものの良い性能を導くことを数値シミュレーションによって明らかにしている.また,メモリ制約に起因した性能劣化の改善について考え,効果的な量子化器の設計方法を提案している.この結果をまとめたものが学術論文として掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メモリ制約に起因した性能劣化の改善について考え,効果的な量子化器の設計方法を提案し論文として公表した.この結果は当初に予定していたものである.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,入力される信号の周波数がわかる場合について,設計法の展開を行う予定である.研究計画からの変更はない.
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Research Products
(3 results)