2011 Fiscal Year Annual Research Report
複数の低解像度情報に基づく離散値出力システムの状態推定論
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22760325
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
南 裕樹 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教 (00548076)
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Keywords | 離散値出力システム / 低解像度信号 / 超解像処理 / 視覚フィードバック制御 / ハーフトーン処理 / 分散電源ネットワーク |
Research Abstract |
本研究では,離散値出力システムのための状態推定論の構築を目的としている.本年度は,離散値の2次元信号(低解像度の画像信号)が出力されるシステムに焦点をあて,研究を行った.主な成果はつぎの2つである. 1.ロボットアームの超解像視覚フィードバック制御:低解像度画像を利用してロボットアームを制御することを試みた.提案手法は,超解像処理を用いて,複数の低解像度画像から高解像度画像を再構成し,その画像を利用して視覚フィードバック制御を行うというものである.本研究では,実機実験によって提案手法の性能を検証した.また,ロボットアームの手先に取り付けられた1台のカメラで複数枚の低解像度画像を取得する方法について考察した.さらに,手先(カメラ)の動きの情報を事前情報として高解像度画像復元に利用することで,復元精度を向上できることを確認した. 2.分散電源ネットーワークのハーフトーン制御:複数の分散電源(ガスタービンなど)によって構成される電源ネットワークに対して,重要家が要求する電力と電源が供給する電力をバランスさせる問題を検討した.本研究では,まず,電源ネットワークが作る電力供給分布が需要分布とほぼ等しくなるように各電源の運転モード(ON/OFF)を決定するという基本的な問題を定式化した,そして,問題のひとつの解として,ハーフトーン画像処理の考え方を利用した分散制御手法を与えた.そこでは,各電源のON/OFFの情報から電力供給分布を予測するために,拡散方程式を用いている.これは,電源から供給されるエネルギーが平面的に広がるというマクロな視点における定性的な性質をモデル化したものであり,この点に着目することで,ハーフトーン処理のアイデアを利用した制御アルゴリズムが得られている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までの研究では,離散値(低解像度)の2次元信号が出力されるシステムに焦点をあてている。これについては,おおむね順調に研究成果が得られているといえるが,解決すべき課題もまだ残されている.そのため,申請書で目標としていた,メカトロニクス系に対する状態推定論の構築についての検討は遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,超解像処理のアイデアをメカトロニクス系の制御に応用するための考察を進めていく.これまでは,ロボットアームの制御に焦点をあてていたが,今後は,倒立振子系(本予算で購入)に対する考察を行う.また,今年度取り組んだ,分散電源ネットワークの制御に関しては、まだ解決すべき課題が残されているため,今後も継続して,理論的な解析・設計を進めていき,制御アルゴリズムをより現実的なものに発展させる予定である.
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Research Products
(4 results)