2011 Fiscal Year Annual Research Report
光学化学センサーを用いた構造物表層の劣化モニタリング
Project/Area Number |
22760334
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
百武 壮 土木研究所, 材料資源研究グループ(新材料), 研究員 (30468871)
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Keywords | 土木材料 / 構造・機能材料 / 可視化 / 高分子合成 |
Research Abstract |
酸素濃度によって発光強度が変化する燐光・蛍光色素を構造物塗膜や部材表面に分散させて得られる酸素の二次元分布をから、リアルタイムで応答する新しい構造物劣化モニタリング手法の開発を目的とした。土木構造物表層に設置する色素候補として、紫外光、高温、水、酸、アルカリに耐久性高いフッ素置換ポルフィリン金属錯体を選択した。色素を気体透過性が極めて高いポリトリメチルシリルプロピンに分散させ、センサー層とした。気体バリア性の高い高分子候補、ポリアクリロニトリル誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン誘導体と上記センサー層との積層条件を検討し、最適な膜厚で成膜・封止することで強靭な塗膜試験片が得られた(センサー層5um,パリア層200um程度)。励起光(405nm)照射下、室温大気下で塗膜は強く発光し、気体バリア層の有効性が示された。バリア層に(あるいは塗膜を貫通するように)物理的に破壊すると、破壊部位を中心として発光像に消光が観察され、塗膜のき裂が実時間・同位置で可視化された。それぞれの高分子膜を気体透過測定に供し、酸素、窒素の気体透過係数を算出した。バリア層とセンサー層の酸素透過係数比が105程度で高感度のき裂センシングが示唆された。これらは目視あるいは一般的なコンパクトデジタルカメラでも塗膜や構造物の剥離・き裂を検出可能であることを示している。LED光源と市販のCCDカメラといったコンパクトで低コストな設備で人が入れない橋桁の内部や裏側を乗じヘルスモニタリングすることが期待できる。今後、母材への設置方法、母材の破壊に対する応答性、耐候性について検討し、実構造物への適用を目指す。
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