2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760337
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西川 貴文 長崎大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50512076)
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Keywords | 脆性損傷 / 画像解析 / 地震観測 / 損傷検知 |
Research Abstract |
本研究では,構造物の可視的な性状と振動データを統合した構造センシング手法の確立を視野に入れ,建物に生じる部材の変形やクラック・剥離などの性状変化をリアルタイムに把握するための計測・解析システムの構築を目的としている.振動モニタリングに関しては,前年度に高密度な地震計測ネットワークの構築を完了し,常時微動および強震の集録を継続的に実施した.テストフィールドとした高層免震建物の建屋内11箇所,免震層上下14箇所に設置された振動センサから得られた加速度データを,建物の既設ネットワークを利用してオンラインで集約・分析し,対象建物の周波数/モード特性の把握に取り組んだ.また,データの集録・分析と並行して,センシングデータの利活用法として,データを施設利用者向けに翻訳して提供・発信するプロセス・フレームを構築し,試験運用を開始した.平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震発生以降,節電対策のために対象建物館内各所のディスプレイの利用が休止されているが,これの再開に合わせて情報発信システムも運用を再開する予定である. 画像集録システムに関しては,高精度CCDカメラによる長期集録を実現するため,データの効率的な管理のための解析処理手法の構築に取り組んだ.特に,画像データの集録を継続しながら,着目する特徴量のみを検知・抽出する画像解析手法の構築に取り組んだ.また,当初は計画していなかった可視振動性状の画像認識について,実橋梁の振動モニタリングと併せて手法のプロトタイピングに取り組んだ.そこでは,一般的に空力励起振動が発生する風環境とは異なる条件下で励起振動が発生する現象を慣性計測と画像集録の双方から捉えることに成功した.今後,データの集録を継続しながら現象のメカニズムの解明を図り,その成果をまとめ,報告する予定である.
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Research Products
(6 results)