2011 Fiscal Year Annual Research Report
過積載を含む大型車両群による自動車荷重の実態把握と道路構造物への影響の分析
Project/Area Number |
22760349
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
小塩 達也 名城大学, 理工学部, 准教授 (70303659)
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Keywords | 鋼道路橋 / 維持管理 / 過積載 / Weigh-in-Motion / 疲労 / 累積被害測 / Bridge Weigh-in-Motion / 支点反力法 |
Research Abstract |
前年度の成果により,荷重データからパターンマッチングにより空車・積載を判定することとし,14種類の車両群について国道19号地蔵橋で得られた荷重データを対象として判定用パターンを作成し,国道19号地蔵橋におけるBWIMによる荷重データ(20万台)を対象として,空車・積載・過積載車両の判定を行った.その結果,トレーラー類などについては不適切なパターンによる誤判定が多く発生するなど,検討の余地があることが判明した.そこで,車両台数が多く,かつ判定結果もある程度信用できると考えられた3軸後タンデム車両について分析対象を絞り込み,積載状態が与える疲労損傷度への影響を分析することとした.疲労損傷モデルとして,車両ごとの軸重の3乗和を疲労損傷の指標とすることとし,疲労損傷度の重み付きの積載状態別頻度分布,積載状態別の台数構成比率および同じく疲労損傷度の構成比率を算出した.その結果,台数構成で空車:積載:過積載が45%:33%:22%%であったものが,損傷度の構成比率では16%:34%:50%となり,全台数において22%の台数である過積載車両が,全損傷度の50%をもたらしていることが判明した.また,1台あたりの平均の疲労損傷度を積載状態別で試算したところ,過積載車両1台の走行がもたらす疲労損傷度は,積載車両の2.25倍となった.以上の結果については車種や測定地点について限定的であり,他の測定地点とのデータの比較や,他の代表的な車種について更に検討する余地があるが,過積載車両が道路構造物に与える影響を調査する方法論としては有意義な成果を得た.本研究のさらなる展開として,(1)上記分析方法の他の自動車荷重測定データへの適用,(2)疲労損傷モデルの高精度化,(3)過積載を抑制するシナリオを反映した荷重モデルの作成と疲労損傷度への影響分析などが考えられる.
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