| Research Abstract |
本研究は,帯鉄筋および鋼管により横拘束されたコンクリート(以下,コンファインドコンクリート)の変形・破壊機構および寸法依存性を,メゾスケールの力学挙動に立脚した数値解析により把握・評価することを目的としている.前年度は,帯鉄筋により離散的に横拘束されたコンクリートの破壊挙動をシミュレート可能な数値解析モデルの開発を行った.具体的には,コンクリートのメゾスケール力学挙動に立脚して構築した構成モデルを適用した剛体バネモデルに,帯鉄筋を表現する,ファイバーモデルに基づいたはり要素を結合した解析手法を開発した.本年度は,剛体バネモデルに,幾何学的非線形性を考慮したシェル要素を結合することで,鋼管により連続的に横拘束されたコンクリートを表現可能な数値解析モデルを開発した.さらに,上記2種類の解析モデルを用いてコンファインドコンクリートの1軸圧縮解析を行い,実験との比較により解析モデルの妥当性を検証するとともに,コンファインドコンクリートの寸法依存性を評価するために,既往の実験では検証されていない供試体寸法までを含んだパラメトリックスタディーを行った.その結果,(1)開発した解析モデルは,既往の実験で評価されている領域におけるコンファインドコンクリートの圧縮特性に現れる寸法依存性を概ね再現できること,(2)パラメトリックスタディーの結果,角形断面供試体の方が,円柱形断面供試体より寸法依存性が大きいこと,(3)帯鉄筋を用いたコンファインドコンクリートの場合,同一帯鉄筋量の条件では,帯鉄筋間隔が小さいほど寸法依存性が小さいこと,(4)鋼管により,連続的に補強した方が,帯鉄筋により離散的に補強した場合より,寸法依存性が小さいことが分かった.さらに,解析により得られた供試体内部の応力伝達機構を可視化することにより,寸法依存性のメカニズムについてメゾの視点から考察し,いくつかの解釈を得た.
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