2010 Fiscal Year Annual Research Report
土粒子と間隙水の直接表現に基づく数値計算ツールの高度化
Project/Area Number |
22760353
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森口 周二 岐阜大学, 工学部, 助教 (20447527)
|
Keywords | 地盤材料 / 直接計算 / 数値解析 / 透水 |
Research Abstract |
本年度は,飽和状態の地盤材料を対象として,地盤内部の間隙水の透水挙動の再現や,液状化現象の再現解析に対する直接計算の可能性を確認した.透水シミュレーションでは,解析の中で地盤材料の粒径や間隙比を変化させて,既存の透水係数の推定式を用いて解析結果を検証した.まず,ダルシー則が精度よく成立することを確認した上で,粒子の粒径や間隙比を変化させて解析を行った.間隙比が非常に小さい状態については,解析精度に課題が残ったものの,透水係数の粒径や間隙比に依存する効果を精度よく表現できることを確認した.また,導水勾配を変化させて流速を増加させていくと,ダルシー則が成立しない領域に達するという実験的事実についても表現可能であることを確認した.これらの結果は,実験的には知られていたものの,シミュレーションで再現することは非常に難しい現象であり,粒子-流体連成解析に基づく直接計算の優位性を示す重要な研究成果である.今後,粒度分布等の影響についても詳細に検証することで,間隙水の透水挙動に対する新たな知見を提供することができると考えられる. 液状化現象の再現については,2次元解析により,過剰間隙水圧の上昇に伴う有効応力の減少などの表現を試み,その傾向は概ね表現できているものの,動的な条件においては,計算精度が計算解像度に大きく依存していることが明らかとなった.動的な条件に必要とされる計算解像度の明確化が今後の重要な課題である.
|