2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタンハイドレート分解時の海底地盤の地すべりに関する研究
Project/Area Number |
22760356
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木元 小百合 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70362457)
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Keywords | メタンハイドレート / 地盤力学 / 変形 |
Research Abstract |
本研究では、海底地盤中に存在するメタンハイドレート含有層のハイドレート分解時の変形挙動について、そのメカニズムを検討するとともに、化学-熱-力学連成解析法を用いて分解時の土骨格の変形や流体(メタンガスおよび水)の流れに伴う環境変動の予測を行った。これにより、国内外で進められているハイドレート資源開発に伴う地盤不安定化およびガス漏洩に対する検討を行った。 初年度である平成22年度はハイドレート分解時の挙動を把握するため、ハイドレート含有試料を用いた分解実験実施に向けて三軸高圧装置の改良を行った。まず、三軸高圧装置を温度制御および供試体体積測定が可能となるよう改良した。ハイドレート生成過程では0度以下の温度をコントロールする必要があるため、不凍液を用いた冷却用循環装置を設置し、セル内およびセル内の溶液を冷却する構造とした。また、供試体内にCO2ガスを圧入し生成中も一定の圧力を制御するため、CO2飽和液容器を介して圧入する。 さらに、開発中の化学-熱-力学連成解析法の検証のため、既往の実験の3次元シミュレーションを行った。数値解析法については、分解実験結果と比較することにより、特にガス圧の発生とそれに伴う地盤変形を再現できているか検証した。その結果分解速度や温度変化、地盤の沈下挙動をほぼ再現できることを確認した。次に、生産井周辺を含む海底地盤をモデル化して減圧法による分解変形解析を行った。特に原位置に近い海底地盤で取得された試料の力学試験結果をシミュレーションすることにより、地盤の弾粘塑性構成式のパラメータを設定した。
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