2012 Fiscal Year Annual Research Report
地盤震動計測による盛土の排水機能の健全度診断技術~長く安全に使うために~
Project/Area Number |
22760358
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
一井 康二 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70371771)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 健全度診断 / せん断波速度 / 地盤 / 常時微動 / 含水比 |
Research Abstract |
本研究では,地盤の健全度診断技術手法として,細粒分の抜け出しおよび含水比の変化によるせん断波速度の変化に着目し,常時微動計測の活用を目指した。まず,地盤の状態変化によるせん断波速度の変化を把握するため,室内模型実験を行った。実験の結果,細粒分の抜け出し量が増加すると,せん断波速度も低下するという結果が得られた。この要因としては,細粒分により拘束されていた大きい粒子が,土中の細粒分が抜けることで動きやすい状態となった可能性があげられる。このときのせん断波速度の低下は,実験条件下では15%程度に達し,これを検出できれば,地盤の健全度を診断できると考えられる。また,含水比の変化によっても,10~40%程度のせん断波速度の変化が生じる。これにより,擁壁の排水溝の目詰まり等の検出も可能であると考えられる。 次に,このせん断波速度の変化による固有振動数の変化を数値解析により検討した。固有振動数が明瞭に測定可能と思われる擁壁を対象とした場合,降雨による固有振動数の変化は5~32%程度と大きく,経験的には測定可能なレベルであることを確認した。 最後に,実際に地盤の固有振動数および擁壁の固有振動数が,降雨等によりどのように変化するかを測定した。しかし,実測では近隣の工場を発生源とすると思われるノイズの影響を受け,分析が困難であった。また,これは,提案手法を実際に活用する上でも致命的な課題となり得ることが判明した。そこで,常時微動ではなく,人工震源による表面波探査の適用性を検討したところ,人工震源を用いた方法ではノイズの影響が小さく,せん断波速度の変化を検出できる可能性が高いことが明らかになった。実際に水位変動が発生する地点として,潮位変動の大きな瀬戸内海に面した岸壁上で表面波探査を行ったところ,水位変動に起因すると思われるせん断波速度の変化を検出できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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