Research Abstract |
22年度は,ソ連邦が崩壊した1991年から現在までを対象に,複数の衛星データを用いて土地利用分類ならびに水利用推定の手法を開発した.まずは中央アジアにおける気象・水文,衛星,各種統計データの整備を行った。具体的には,MODIS,SPOT-VEGETATION,NOAA-AVHRRを用いて,氷河,砂漠,森林,農耕地等の土地被覆分類および人間活動の長期変動を検出した.2000年以降はMODISを用いた土地被覆分類を行い,耕地面積等の統計データから検証を加えた.対象流域は多様な土地被覆を含むことから,可視近赤外を用いた植生活性度および短波長赤外を用いた水面・植生含水量の検出に加え,熱赤外データを併用して土地被覆解析を行った.MODIS解析で得られた結果から,アラル海の縮小,アイダール湖の拡大,水田面積の減少などの特徴が見られたことから,2005年以降に関してはさらに高解像度のALOS -AVNIR2,PRISM,PALSARなどのセンサーを活用して,変化がみられた地域において詳細な解析を行った.次に検出した土地被覆の変化を人為起源と自然起源に大別し,ダム建設や農耕地拡大等の人為要因に関しては,統計データなど過去の履歴を用いて定量的に検証・評価した. 特に興味深い変化が検出されたウズベキスタン,キジルケセック周辺にでは,植生の季節変動に関する解析を行ったほか,主な生業である放牧と農耕に関して2010年11月に現地調査を行った.またキジルクム砂漠に数多く点在するオアシスに関して,水源の種類と周辺水利用に関しても同時期に現地調査を行い,衛星画像も併用しながら解析を行った.
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