2011 Fiscal Year Annual Research Report
播磨灘の栄養塩異変の科学的原因解明と陸圏からの栄養塩負荷量変動との関連
Project/Area Number |
22760373
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
石塚 正秀 香川大学, 工学部, 准教授 (50324992)
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Keywords | 総量規制 / 栄養塩異変 / 河川水質 / 播磨灘 / 負荷量 |
Research Abstract |
流域の各場所から発生する負荷量と流出量を考慮した河川水質の時間変動を推定することは、河川から海域への物質流入の非定常特性を理解する上で重要であり、降雨による海域への短期的な栄養供給課程や供給量を推定する上で重要である。海域の環境変化は陸域からの淡水流入が大きく関係しており、大阪湾を除く瀬戸内海では漁獲量の低下やノリの色落ちなどの環境問題が多く発生しており、原因の究明が求められている。 本研究では、流域情報解析として、河川流域を斜面グリッドおよび河道グリッドによりメッシュ化し、流域地形モデルを作成し、さらに、負荷量解析、汚濁負荷流出解析、水文流出解析、河川水質解析を行う分布型流域水質モデルを構築した。本モデルの大きな特徴は、点源および面源から発生する負荷を、晴天時、雨天時、逓減時に分けて、負荷流出解析を行うモデルを導入した点にある。具体的には、対象域を一つのボックスとみなし、点源および面源から発生した負荷が流出する過程を解くことにより、ボックス内で河川に流入する負荷量の時間変化を算出した。晴天時には、点源による発生負荷量のほとんどが沈降・堆積し、面源による発生負荷量はすべて堆積するとした。一方、雨天時には、点源および面源による堆積物が掃流されるとした。流量逓減期には、晴天時と雨天時の半分の量が堆積・掃流されるとした。最後に、綾川に流入する時間毎の負荷量の合計値を、各地点に流入する負荷量の割合に基づいて分配することにより、対象域における汚濁負荷量の各地点の時間変化を算出した。 上記の分布型流域水質モデルを用いて、香川県の綾川と対象とした水質シミュレーションを行った結果、各地点におけるCOD濃度の時間変化を推定することができた。
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Research Products
(8 results)