2012 Fiscal Year Annual Research Report
砕波混相乱流ダイナミクスに基づく高精度沿岸物質輸送モデルの開発
Project/Area Number |
22760378
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
大塚 淳一 独立行政法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (50540556)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 砕波 / 乱流 / 浮遊砂 |
Research Abstract |
底質粒径のスケール効果を把握するため,昨年度よりも粒径が小さい砂を使用して砕波帯における流速と浮遊砂濃度の時空間変動を計測した.同一の波浪条件で浮遊砂濃度の粒径依存性を評価した場合,粒径が小さい方が浮遊砂濃度は高く,特に流体の乱れが最も卓越する領域(遷移領域)においてその傾向は顕著となる.巻き波砕波の遷移領域では,瞬間値で見た場合,底面付近よりも水面付近において浮遊砂濃度が高くなる様子が確認された.このような現象は比較的粒径が大きい底質を使用したケースでは確認されていない.粒径が小さい場合,底質は乱れの影響によって水面付近まで容易に巻き上がり,さらに,水面から供給された乱れの影響によって比較的長時間浮遊する.次の波浪の来襲時には,さらに底面から水面付近に浮遊砂が供給されるため,この繰り返しによって水面付近では底面付近よりも浮遊砂濃度が高くなったと考えられる.この結果は,砕波帯では粒径によって底質の輸送プロセスが大きく異なること,すなわち,砕波帯における浮遊砂濃度の推定には粒径に応じた乱れと浮遊砂フラックスの関係を評価することが重要であることを示している.遷移領域では砕波クレスト通過から波浪周期の0.4から0.6倍程度の時間が経過した後,戻り流れによって岸側から輸送された比較的強い乱れが底面に到達した直後に多くの底質が巻き上がることが確認された.この結果は,底質の巻き上げ率の推定には乱れの影響を考慮する必要性を改めて示しており,さらに,波高減衰率をパラメータとして波の通過点における底質の巻き上げ量を推定する従来の方法では,正確な値を評価することはできないことを明確に示している.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)