2010 Fiscal Year Annual Research Report
安全性・効率性の向上にむけた二輪車四輪車混合交通の最適運用管理方策に関する研究
Project/Area Number |
22760392
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩見 康博 京都大学, 工学研究科, 助教 (40422993)
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Keywords | オートバイ / 混合交通流 / 東南アジア / コンフリクト解析 / 画像データ / 交通安全 |
Research Abstract |
東南アジアの各国では都市内交通手段としてオートバイが広く用いられており,自動車が中心の欧米諸国,及び我が国とは大きく異なる様相を呈している.しかしながら,基本的には欧米由来の自動車を中心とした交通システムが採用されており,多くを占めるオートバイに対応したシステムはまだ開発途上にあると言える.特に,オートバイは事故発生時の死亡・負傷リスクが自動車と比べて高く,安全性の観点からも,オートバイと四輪車の混合交通流に対応したシステムの導入が求められている. そこで本研究では,混合交通流の安全性を評価するため,オートバイの挙動特性を適切に考慮したコンフリクト評価指標を提案した.オートバイの挙動特性の一つとして自由度の高い方向転換が可能である点が挙げられる.この点を考慮し,ある一定時間間隔内でオートバイが到達可能なエリアをポテンシャルエリアとして定義し,その算出モデルを開発した.その上で,ある車両のポテンシャルエリアが他の車両のポテンシャルエリアと重複する際にコンフリクトが発生する可能性があることを鑑み,当該車両のポテンシャルエリア中,他の車両のポテンシャルエリアと一切の重複が無いエリアの割合をもって安全性を表す指標(PPSA, Proportion of Potential Safety Area)を定義した.提案指標をハノイ市の信号交差点で観測された交通流に関して算出し,PPSA値と観測交通状況の関係を分析した結果,同程度の交通密度であっても,オートバイと四輪車が混在することで,PPSA値が低下する(コンフリクトが大きくなる)傾向にあることが統計的に示された.これにより,オートバイと四輪車を分離する施策を導入することにより,交通流の安全性が改善される可能性があることが示唆される.
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