2010 Fiscal Year Annual Research Report
歩行空間における利用者のストレスバランスの計測と分析
Project/Area Number |
22760399
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
石田 眞二 北海道工業大学, 空間創造学部, 准教授 (20347751)
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Keywords | 心拍変動 / RRI / ストレス / デジタルフィルタ / ローレンツプロット / パーソナルスペース / 車いす使用者 / 歩行空間 |
Research Abstract |
わが国では,バリアフリーやユニバーサルデザインの認知の広がりとともに,法制度も整備されてきた.現行の歩行空間におけるバリアフリー基準は,国土交通省が策定した「道路の移動円滑化整備ガイドライン」に基づいている.しかしながら,これらの構造基準は,物理的な数値で明記され,設計する際のチェック項目としての役割は有しているが,実際に利用する歩行者の心理的な評価については,反映されていない.歩行空間は,多くの人が行き交う公共空間であり,交通弱者である車いす使用者は,交通密度や歩行者交通量,すれ違い等に対して,健常者に比べ,精神的なストレスを受けていると考えられる. 本研究の目的は,歩行空間において,歩行者や車いす使用者が他の歩行者とのすれ違い時に受ける精神的ストレスの定量的評価を試みることである. 当該年度(H22年度)において,本研究では,携帯型自動血圧心拍計を用いて,歩行空間における利用者のストレス計測手法の構築を目指した. 車いす使用者を対象とし,歩行空間の移動時に心電図から得られるRRIデータからストレスの解析を行った. 解析には,デジタルフィルタ解析とLP面積法を用いて,ストレスの定量化を試みた.デジタルフィルタにおいては,RRIから心理的負荷の感度が高い周波数帯の抽出に成功し,時間軸において継続的に受けるストレスの推定を行った,また,LP面積法では,突発的なストレスを空間軸から定量的に評価する手法を確立した. 上記の解析結果から,車いす使用者は,パーソナルスペースの進入人数の増加に伴い,ストレス量も増加する傾向を示した.
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