2011 Fiscal Year Annual Research Report
歩行空間における利用者のストレスバランスの計測と分析
Project/Area Number |
22760399
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
石田 眞二 北海道工業大学, 空間創造学部, 准教授 (20347751)
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Keywords | RRI / デジタルフィルタ / ローレンツプロット / 歩行空間 / ストレス / 心拍変動 / 歩行者 |
Research Abstract |
歩行者は歩行空間において,様々な外的要因によるストレスを受けて移動していると推察できる。本年度は,歩行空間の特徴により歩行者が受けるストレスの特性を明確にし,快適性を表す指標として,ストレスを用いて歩行空間を定量的に評価可能な手法を探索した。 調査対象ルートは,特徴の異なる札幌市中心部の地上4ルートと,その真下を通る地下4ルートの計8ルートとした。また,歩行距離は同程度となるように200m前後に設定した。 本計測では,携帯型自動血圧心拍計を装着した被験者4名に調査対象ルートを歩行してもらった。被験者は20~30代の4名で,得られる心電図からRRIデータを解析し,ストレスの定量的評価を試みた。 解析方法は,精神的ストレスに最も感度が高い成分である0.05~0.02Hzの中間周波数成分をデジタルフィルタ解析(DF)により抽出し,ローレンツプロット(LP)によりその特徴を調べた。 その結果,LP面積法を用いて評価を行った結果から,地上のルートは一定量のストレスを安定的に受ける傾向を示し,その要因としては歩行空間の照度が影響していると示唆できた。一方,地下のルートではストレスを不安定に受ける傾向を示し,ストレスの強弱にもばらつきが認められた。その要因は,大きく変動する歩行者交通量が影響を与えていると示唆できた。また,LP面積とM値の関係から,地上と地下の歩行空間において,LP面積の分布特性には明確な差異が認められ,歩行者が受けるストレスの感じ方に差があることがわかった。
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