2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子配列特異的微生物回収技術の開発とそれを用いた廃水処理微生物群集の機能解明
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22760404
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保田 健吾 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80455807)
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Keywords | 微生物 / 回収技術 |
Research Abstract |
本研究は、廃水処理複合微生物群集から我々が開発してきたtwo-pass TSA-FISHを用いて特定機能遺伝子配列情報に基づいて微生物を染色し、それらを抗原抗体反応を用いてマグネットビーズにより回収後、DNA抽出・核酸増幅を経てこれら細胞の分子系統および機能を解明するための技術を開発しようとするものである。これまでに分離・培養されていない未知微生物群からの遺伝子資源の回収とコミュニティメカニズムの解明を行うことで、排水処理システムにおける微生物コミュニティ解明のための基盤ツールの提供を目指した。 H22年度は、純粋菌株を標的として微生物を検出する際に、tyramide-Fluoresceinを沈着させた。抗Fluorescein抗体を用いて、沈着させたFluoresceinを抗原として標的菌体のみをマグネットビーズに結合させた。マグネットビーズはサイズがいろいろあるが、その内で最適なものを選択することで、分取に成功した。しかしながら標的菌体の集積率はさほど良くなく、非特異的な巻き込みがその原因であると考えられた。それを克服するために、現在洗浄条件などを検討中である。 また濃度の薄いサンプルへの適用性およびCARD-FISH法適用の際の細胞壁処理を容易にするために、フィルター上に菌体を補足し、それらにCARD-FISH法を適用後、再度水溶液中に回収する方法についても検討を行った。具体的にはメンブレンを溶媒で溶かすことで溶液中に回収することを試みており、本年度は、メンブレンを溶かす溶媒の種類および直径25mmのメンブレン1枚を完全に溶解させる(目視レベル)のに必要な溶媒の量などについて検討した。
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