2011 Fiscal Year Annual Research Report
多点分散供給方式による中温及び高温UASB反応器のアルカリ剤削減運転方法の開発
Project/Area Number |
22760410
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
山田 真義 鹿児島工業高等専門学校, 都市環境デザイン工学科, 講師 (80469593)
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Keywords | 中温UASB反応器 / 高温UASB反応器 / アルカリ度削減 / 酸性廃水 / メタン発酵 |
Research Abstract |
高温及び中温UASB反応器は液容積10L(高さ100cm、GSSを含めると120cm)を2基用い連続処理実験を行った。多点分散供給方式として、流入口を反応器最下部、最下部より20cm、40cmの部分へ設置した。各種分析については、専攻科棟実験室、衛生実験室、多目的実験室を利用し、UASB反応器の処理性能の評価は、毎日のデータ収集と週2回のルーチン分析で行った。毎日のデータでは、水温、pH、バイオガス生成量、ポンプ流量などの確認を行った。週2回のルーチン分析は、アルカリ度、CODcr濃度、VFA濃度、バイオガス組成分析を行い、アルカリ度、CODcr濃度、VFA濃度は、流入水、流出水について分析を行った。原水には、酸性廃水であるバイオエタノール蒸留廃液を用いた。原水タンクでCOD濃度を所定濃度に希釈し、実験条件によりアルカリ剤を添加し、流入原水のpHをコントロールした。また、塩化コバルト六水和物と塩化ニッケル六水和物をそれぞれ0.17mg/L、0.04mg/Lとなるように添加した。中温及び高温UASBプロセスについて、COD容積負荷30 kgCOD/m^3/dayでのデータを取得し、アルカリ度添加率0.04 kgCaCO^3/kgCODで運転を行った。その結果、運転開始より302目目にアルカリ度の不足により高温UASBリアクターのpHが5.0まで低下し、COD除去率37%、処理水全VFA3,400 mgCOD/Lと処理に大きな影響与えた。高温UASBリアクターのみが影響を受けた原因は汚泥負荷の増大であると考られ、224日目と359日目の高温UASBリアクターの汚泥負荷量を比較すると1.18から2.25 kgCOD/kgMLVSS/dayへと倍増しているが中温UASBリアクターは、0.88から0.51 kgCOD/kgMLVSS/dayへと減少している。このことから、高温メタン生成菌は中温メタン生成菌と比べ、pHの低下やアルカリ度の減少による影響を受けやすく、汚泥の増殖が制限されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で目標としているCOD容積負荷30 kgCOD/m^3/dayのアルカリ度削減データの取得が順調に行えている。しかし、高温UASB反応器では中温と比較してグラニュールが減少する傾向が観察されているため、今後も連続処理実験を継続して、より長期間のデータを取得する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
高温UASB反応器では中温と比較してグラニュールが減少する傾向があるため、24年度については、COD容積負荷30 kgCOD/m^3/dayの条件で連続処理実験を継続し、定:常運転を行ったときのアルカリ度削減データを取得すると共に、高温グラニュール汚泥が減少する原因を、バイアル実験を通して行う。
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