2012 Fiscal Year Annual Research Report
固相抽出-LC/MS法を用いた溶存有機物(DOM)の新規解析手法
Project/Area Number |
22760411
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日下部 武敏 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (40462585)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 土木環境システム / 流域圏 / 湖沼 / 溶存有機物 |
Research Abstract |
近年、湖沼等の閉鎖性水域において難分解性有機物の増加・蓄積が報告されるなど、流域圏における有機物の動態や生態系への影響に注目が集まっている。本研究課題は、流域圏における溶存有機物(dissolved organic matter、DOM)の機能や役割の解明に向け、固相抽出法およびLC/MS法を組み合わせた解析手法の新規開発を行うものである。 平成24年度は、研究計画全体・最終目標および過年度までの成果を踏まえ、固相抽出法の更なる高度化を中心に検討を行った。現在のところ、湖沼有機物を網羅的かつ定量的に解析できる手法は見当たらず、1980年代にUSGSのグループによって開発された非常に煩雑な樹脂分画法(XAD-8法)に替わる固相抽出法の新規開発が重要であることによる。更に、LC/MS法では、試料中に共存する無機塩類の妨害が問題であり、長年にわたって課題として残されてきた。本研究課題で開発した固相抽出法では溶存有機物の分画と同時に、共存する無機塩類の除去・有機物の濃縮の効果が期待できるものであった。本研究課題では、最終的に10種類以上の固相カートリッジについて、洗浄方法、通水速度、pH調整等の操作条件、更には固相カートリッジの組み合わせについても体系的な実験的検討を行った。本法は、更なる検討・改良が必要なものの、簡便に操作が行えるため、本研究の最終目標に照らして、新規メソッドが開発できたと言える。LCにおける分離モードについては、逆相系、サイズ排除系、HILIC系などの複数のカラムを用いて条件検討を行った結果、サイズ排除系の分離モードが第一選択であることが明らかとなった。 本研究課題では、水環境中の溶存有機物全体を網羅的かつ定量的に検出できる解析・評価手法の新規開発を行った。今後は、本法の適用例を増やしてその汎用性を示すとともに、湖沼の有機物研究の発展に資することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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