2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760413
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関口 徹 千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50451753)
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Keywords | 建築基礎 / 既存杭 / 遠心模型実験 / パイルド・ラフト基礎 |
Research Abstract |
近い将来問題になると考えられる大口径既存杭の処理に対し,これを積極的に再利用することで工期短縮とコスト削減さらに資源の有効利用による環境負荷の低減ができる新しい建物基礎(非接合パイルド・ラフト基礎,鋼管杭を用いた極短杭)を研究代表者らは提案している。昨年度に引き続き本年度もそのうえで問題となる建物の沈下について,基礎構造の鉛直荷重伝達メカニズムを明らかにし,その有効性の検討を目的としている。 上記のメカニズムを明らかにするため,模型実験を行った。昨年度と同様に模型地盤に遠心力を与え小さな模型でも深い地盤構造を模擬することができる遠心模型実験により鉛直載荷を行い基礎の沈下特性について実験を行った。本年度はより現実に近いものとなるよう杭の本数を9本に増やし,杭が密集することによる群杭効果について検討した。 実験の結果から,提案する基礎形態の鉛直荷重伝達メカニズムが明らかになった。基礎底盤(ラフト)と杭の間に薄層地盤(厚さは杭径の0.5倍)を設けた場合,鉛直荷重はラフトから薄層地盤へ伝わりさらに杭へも荷重が伝達され,ラフトの沈下を抑制する効果が期待できることがわかった。杭が密集した場合,沈下抑制効果は十分期待できると考えられるが,配置により杭への伝達荷重が大きく異なることが分かった。しかし,杭にかかる荷重は従来のものより低減でき,建物の沈下抑制も期待できるため既存杭の再利用も可能と考えられる。 また別途解析により実験結果のシミュレーションを行いその鉛直荷重伝達メカニズムについて概ね説明できるようになった。
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