2011 Fiscal Year Annual Research Report
新設鉄筋コンクリート建物における短柱の構造性能および設計適合性に関する研究
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22760422
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 孝也 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50305421)
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Keywords | 鉄筋コンクリート建物 / 層崩壊 / せん断破壊 / 崩壊変形 |
Research Abstract |
鉄筋コンクリート(RC)建物においては,大地震時にある一つの層に変形が集中して崩壊に至る被害が問題になることが多い。このことについて検討するため,過去に擬似動的手法を用いたRCモデル建物の崩壊実験を実施した。そこでは3層建物を対象として,最下層を実験で,2,3層を解析で処理する等価質点系モデルを使用した。試験体は1/2スケールまたは実大の正方形柱であり,クリアスパン比は3.0と3.3とした。一次固有周期は0.12から0.16秒とした。地震動には過去の地震で観測された4種類を用いた。実験の結果,試験体はせん断破壊または曲げ降伏後のせん断破壊が生じた後,最終的に軸力保持能力を喪失して崩壊した。本年度はその実験結果を分析し,更なる考察を加えた。得られた主要な知見は以下の通りである。1)大部分の試験体は水平変形が片方向に寄り,片押し的な応答であった。荷重が大きく低下する柱が崩壊に至る場合には応答変形が片方向に寄る場合が多いといえる。2)ひとつの試験体は地震動の強震部を過ぎた後,地動加速度が小さい時点で崩壊した。柱が損傷して崩壊に近づいている場合にはこのようなことが起こり得るといえる。3)せん断破壊が生じてから崩壊に至る時間は0.14から4.97秒であり,建物内の人間が大きな破壊を認識してから建物外まで避難するような時間的余裕は非常に少ないといえる。 せん断破壊型の柱を新設建物に適用する際には,上記のようなせん断破壊に特有の問題点を十分に考慮しながら設計を行う必要があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度が最終年度であるため,記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため,記入しない。
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