2012 Fiscal Year Annual Research Report
新設鉄筋コンクリート建物における短柱の構造性能および設計適合性に関する研究
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22760422
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 孝也 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50305421)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 鉄筋コンクリート建物 / 短柱 / せん断破壊 / 崩壊 / 軸力減少 |
Research Abstract |
過去の大地震では,鉄筋コンクリート(RC)建物の柱がせん断破壊したにもかかわらず,崩壊を免れた事例が見られた。これは,柱にかかる軸力が梁を介して周辺の柱へ移動し,軸力が減少したためだと考えられる。そこで,せん断破壊型RC柱を対象として,軸力の減少度合をパラメータとした崩壊実験を行った。軸力減少により柱の構造性能が向上することが明らかになれば,新設建物の設計にせん断破壊型柱を許容できる可能性を示すことができる。 約1/2スケールの試験体を4体作製した。共通事項は柱断面寸法(270×270mm),柱内法高さ(540mm),主筋比(2.18%),せん断補強筋比(新設建物の柱を想定して0.47%),とした。試験体はクリアスパン比が2.0の短柱である。鉄筋とコンクリートには普通強度のものを使用した。実験パラメータは軸力の載荷方法であり,一定軸力および軸力減少とした。軸力比は,試験体N3では0.3の一定軸力,N3-21では0.3から0.21に減少(100%→70%),N3-12では0.3から0.12に減少(100%→40%),N21では0.21の一定軸力,の4種類とした。加力は逆対称変形を保つ形式とし,試験体に所定の軸力を作用させた状態で水平1方向加力を行い,最終的に崩壊するまで加力した。軸力を減少させる試験体においては,加力の途中で軸力を減少させた。 本実験の主要な成果は以下のとおりである。1)軸力を減少させた試験体は,一定軸力の試験体に比べ,大きな水平変形まで軸力を保持することができる。また,軸力を減少させる度合いが大きくなるほど,崩壊水平変形が大きくなる。2)軸力を減少させた試験体の崩壊水平変形は,軸力減少後の軸力比に影響される。3)既往の崩壊水平変形推定式を用いる場合,軸力減少後の軸力比で計算すると実験値との対応が良い。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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