2011 Fiscal Year Annual Research Report
破壊力学を用いた繊維直交方向荷重を受ける複数本のボルト接合部の耐力推定手法の開発
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22760425
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
神戸 渡 東京理科大学, 工学部・第一部・建築学科, 嘱託助教 (90453000)
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Keywords | 木質構造 / ボルト接合 / 集成材 / 破壊力学 / 割裂耐力 |
Research Abstract |
今年度は昨年度行った2列設けた繊維直交方向加力を受けるボルト接合に対して、強度推定に関する検討を行った。ここで設定したパラメータは、ボルトとボルトの相互距離と端距離である。端距離が4dのものでは相互距離が3d、10dのものを行い、端距離が7dのものでは相互距離が3d、7d、10d、14dのものを行い、端距離が10dのものでは相互距離が3d、10dのものを行った。ボルト径はM16の一通りとし、縁距離は木質構造設計規準の規定を満たすものとして、75mmとした。各パラメータで試験体数は3体とした。 実験は加力速度が0.5mm/min.の単調載荷とし、試験体の上部で木材の割裂を確認するために、下部は合板で補剛した。そして、ボルト孔周辺部を市販のビデオカメラで観察し、そのき裂の挙動を確認した。 上記の試験体に対して、耐力推定を行った。申請者が行った既往の方法において、き裂進展開始に対応する支圧応力度というものを定義しており、これを本実験結果に応用することとした。これと比較するために、現行の木質構造設計規準に示されている材料値を用いた算出結果と旧規準の材料値を用いた算出結果を用いることとした。それぞれの方法をP1,P2、P3と定義した。P1を算出する際にボルトの本数nは1とした。これは実験の観察において延性的な割れが発生するのは、どちらか1本のボルトからであることが確認できたためである。P2、P3を算出する際はnを2とした。これは規準では上記のような規定がないためである。 以上3つの算出方法と実験結果を比較した結果、P1がボルト接合におけるき裂発生荷重を大凡推定できることがわかった。よって、新たな耐力評価手法として提案することができた。 引き続き、2行設けた場合の実験を行うこととした。これは現在実験中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度行った実験の検討に時間が必要であったため、2年度に実施予定の実験が現在進行中であるため、やや遅れているという判断をした。この実験は4月中に終了予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、4月中に実験を終了し、直ちに当初予定していた実験の準備に入る予定である。実験実施は、8月程度を予定しており、その後、実験結果の検証に移る予定である。
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