2010 Fiscal Year Annual Research Report
気象情報をシームレスに組み込んだ建築流体解析のための次世代数値モデルの開発
Project/Area Number |
22760438
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯塚 悟 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (40356407)
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Keywords | 建築環境 / 流体工学 / 気象 / 数値モデル / ラージ・エディ・シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、気象情報をシームレスに組み込んだ次世代のLES (Large-Eddy Simulation)モデル(次世代流体工学モデル)を開発することである。そのためには、LESモデルと気象シミュレーションモデル(以下、気象モデル)の結合が必要となるが、両者の結合において大きな課題の一つとなるのが、LESモデル側の境界条件として必要となる微細な乱流変動成分の生成である。平成22年度は、このLESモデル側で必要となる微細な乱流変動成分の生成手法として、Moengら(Monthly Weather Review, 135, 2007)が提案しているLES-within-LES手法を導入し、その有用性を検討した。MoengらのLES-within-LES手法は、気象モデルとの結合においてLESモデルの2段階ネスティングを行い、外側LESモデルをバッファー領域(擬似的LESモデル)とみなし、内側LESモデルで必要となる微細な乱流変動成分が生成できると期待する手法である。しかし、Moengらの手法では、気象モデル(本研究ではWRF (Weather Research and Forecasting)モデルを使用)とLESモデルの結合部で風速分布の不連続が生じる結果となった。風速分布の不連続が生じてしまう原因としては、(1)気象モデルとLESモデルで用いている乱流モデル(乱流パラメタリゼーション)が大きく異なることや、(2)LESの2重ネスティングを行っても、内側LESモデル側で必要となる微細な乱流変動成分の生成には至っていないこと、が考えられる。(1)については、それぞれの乱流モデルを乱流エネルギーの輸送方程式を解く1方程式型モデルに統一し、今後検討を行っていく予定である。(2)については、適切な相関係数などから人工的に微細な乱流変動成分を生成する手法を導入し、検討を行っていく予定である。
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