2012 Fiscal Year Annual Research Report
重症心身障害児の能動的活動を引きだす施設療養空間のあり方に関する研究
Project/Area Number |
22760447
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
山脇 博紀 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (60369311)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 建築計画 / 医療型障害児入所施設 / 重度障がい児 / ポスチュア / ADL / 床材 / 座臥具 |
Research Abstract |
本年度の研究は、重度障がい児の能動的活動の基盤となるポスチュアに着目し、抗重力姿勢であることとポスチュアの転換があることが重度障がい児の身体機能の安定と活動性を向上させるという理学療法の知見に基づき、これによって生活行為の展開が豊かになるという仮説を立て、医療型障害児入所施設における空間要素とポスチュアとの関係性について調査・分析をおこなった。 より具体的には、障がい児のポスチュアと運動機能面のADL、床材と空間構成、座臥具との関連性を明らかにすることを目的とし、旧法肢体不自由児施設(K施設とR施設)の建替え前と建替え後の計4つの施設空間を調査対象施設空間に、入所児童の日中生活の行動観察調査をおこなった。 分析と考察の結果、以下の点が明らかになった。1.ADLの低い児童には臥位が多くみられるが、姿勢保持ができる程度のADLを有している児童は平座位が約25%程度みられた。すべてのADLで50%ほど取られる車イス上椅坐位とと共に、平座位は重度障がい児にとって配慮を要する重要なポスチュアである。2.カーペット敷などの床座的空間が十分な広さをもつ施設空間では臥位・平座位ともにカーペット上で多く展開されるが、床座的空間が狭小な生活空間ではこれらのポスチュアはベッド上の展開へ強く偏る。3.床座的空間が共用部分に十分な広さでしつらえられている施設空間では臥位や平座位も共用部分で展開するが、十分でない場合、臥位・平座位は居室で展開され、ポスチュアの転換には空間移動を伴なう様相が見られた。4.作業イスや休息イスは児童に異なる椅坐位を提供する機会となり、イス座的空間におけるポスチュアの多様性に貢献することができる。 今後はポスチュアと活動内容、および他者との関わりなどとの関連性を分析し、論文作成をおこなう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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