2011 Fiscal Year Annual Research Report
密集市街地における市民セクター主導による持続可能な地域再生手法に関する研究
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22760452
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
真野 洋介 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (70329134)
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 市街地整備 / まちづくり / 震災復興 |
Research Abstract |
本年度は、3月に発生した東日本大震災を踏まえた研究対象地域の見直しと、分析フレーム・方法の再検討を行った上で、広島県尾道市、宮城県石巻市、東京都墨田区の国内の3つの対象地域において、資料収集と現地でのヒアリング調査、再生と復興の実態調査、意見交換のためのワークショップ等を実施した。また、これらの調査結果の分析を踏まえ、地域再生手法とパートナーシップ形態、再生プロセスの考察を行った。 具体的には、以下の手順で研究を進めた。 1)地域再生の実態については、土地・建物、公共空間など、市街地環境に関する実態調査と、個人・組織の活動、それぞれの将来意向と見通しに関する実態調査を実施した。そのうち、路地群や斜面市街地、空き家再生事例、建物解体更地など、3つの地域で特色のある市街地環境については、幅員や寸法、建物配置、間取り等、現地での実測調査を実施し、作図を行った。 2)上記調査結果の表現方法や視覚的なデザインと、地図による統合方法を工夫し、この分析結果や地図を用いて、上記3地域でのワークショップを数回実施し、意見交換を行った。 3)この意見交換によって得られた新たな知見をもとに、不足している観点やデータに関する現地での追加調査を実施した。合わせて、被災市街地を含めた密集市街地の地域再生に関して、市民、行政、民間セクターの多数の主体と個人を対象に、インタビュー調査を実施し、1)2)の結果と照らし合わせ、分析と考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の被災地と新たに対象に追加し、詳細な実態調査とヒアリング調査などを実施したため、研究にも一定の進展が見られた。その一方で、中国等海外事例との比較の点については、震災の影響で調査が実施できなかったため、分析が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は中国上海等、海外事例との比較検討や、大阪等の他の大都市圏、地方都市等の密集市街地再生事例との比較を進めていく予定である。 今年度対象とした3地域については、定点観測的な現地調査と、補足的なヒアリング調査、関連資料の収集を引き続き進めて行く予定である。
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Research Products
(6 results)