2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760456
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田端 千夏子 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30508544)
|
Keywords | 軸組構法 / 地域性 / 各部構法 / 変遷 |
Research Abstract |
本年度は、主に三重県内の木造軸組住宅の構法の変遷について現地調査および分析を行った。なお、全国的な傾向との比較や、地域別の傾向についての分析も行った。以下、その結果について報告する。 基礎:コンクリートの布基礎の普及のピークは、昭和40年代後半から昭和50年代前半である。基礎の有筋化は、昭和50年代前半から徐々に普及し始め、昭和50年代後半から昭和60年代頃が普及のピークとなる。また、べた基礎の普及時期のピークは平成12年前後である。これらは、全国的な傾向と一致している。 床組:根太レス工法は、平成12年頃から普及が始まり、ここ数年で急激に普及している。これとほぼ同様の傾向を示しているのが、プラ束・金属束の普及である。合板の床への使用については、平成7年頃から徐々に増加傾向であるが、特に平成15年頃に急激に普及している。 軸組:アンカーボルトは、昭和40年代後半から現在まで徐々に普及しており、土台の普及や土台の防腐処理の普及時期ともほぼ一致している。一方、HD金物は平成15年頃に急激に普及している。 柱梁接合部に羽子板金物等を使用し始めた時期は、昭和50年代後半からで、その後徐々に普及していった。柱脚への金物の使用については、平成7年前後から徐々に増え始め、平成12年の法令化が普及のピークとなっている。 壁組:壁組については、全国的な傾向に比べると、大壁化や乾式化の時期が5~10年程度遅く、やや保守的な傾向にあることが分かる。また、現在でも筋かいや土壁を施工する傾向にある。 小屋組:葺き土は、平成4年頃までは増加傾向だったが、平成9年頃から10年程度の期間で使用が半減し現在に至っている。スレート葺や金属葺は昭和50年代から徐々に増加しているが、特に平成5年頃から普及した。屋根野地に合板を使用し始めた時期は床とほぼ同時期であるが、床に比べるとその普及時期は早く、平成5年頃から普及が著しく、屋根および葺き材等の変化と対応した結果が得られた。
|