2011 Fiscal Year Annual Research Report
少子高齢化の移行期におけるニュータウンレベルの住民参加型まちづくり活動組織の役割
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22760458
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安枝 英俊 京都大学, 工学研究科, 助教 (60402971)
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Keywords | 少子高齢化 / ニュータウン / まちづくり / ネットワーク / 京都 / 洛西 / 運営 / 近隣住区 |
Research Abstract |
本研究課題で対象とする洛西ニュータウンの住民参加型まちづくり活動組織について、2011年度の研究では、(1)自然資原の活用事業を通じたまちづくり活動団体の協力関係の分析、(2)自主財源による組織運営の検討プロセスの分析、(3)洛西ニュータウンのポータルサイトの開設初動期における情報収集プロセスの分析、を行った。(1)自然資源の活用事業を通じたまちづくり活動団体の協力関係の分析については、2010年までの3年間に実施された同事業と比較して、2011年度に実施された事業では、自治連合会や各種団体だけではなく、小規模で自然発生的なまちづくり活動団体や、幼稚園等、これまで連携が見られたなかった団体から協力が得られたという成果を確認することができた。(2)自主財源による組織運営の検討プロセスの分析については、2011年6月~2012年3月の8ヶ月間、計6回のワークショップを行い、自主財源を確保する手段についての検討を行った。結果として、境谷学区内のサブセンターにある自治会館の管理を受託することで自主財源を確保することになり、2012年4月から会館管理を行っている。検討期間においては、自主財源に関する議論だけではなく、ニュータウンレベルのまちづくり組織の存在意義についての議論が活発に行われた。この議論のプロセスを分析することで、ニュータウンレベルのまちづくり組織が今後新たに担う役割として、住民同士がまちづくりに関する情報を自由に交換することのできる交流の場の提供であることを明らかにした。(3)洛西ニュータウンのポータルサイトの開設初動期における情報収集プロセスの分析については、この組織が、2011年5月に開設した地域ポータルサイトを事例に、開設初動期の情報の収集プロセスを分析し、情報収集において協力主体の果たす役割を明らかにした。さらに、上記(1)~(3)について得られた成果について、2012年3月20日に、居住者、事業者、行政を対象とした報告会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目的は、ニュータウレレベルにおける住民参加型まちづくり組織の役割について、(1)ニュータウンレベルでのまちづくり活動の連携、(2)ニュータウンレベルでの個人のネットワークの形成、という2点から明らかにすることが目的である。これまでの研究において、(1)についての検討は順調に進展しており、(1)の成果を踏まえて2012年度は、(2)についての検討を重点的に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
洛西ニュータウンにおけるニュータウンレベルでの住民参加型まちづくり組織は、2007年~2012年の5年間においては、自然資源を活用した事業を通じて組織形成を図ってきた。今年度は、少子高齢化という本研究課題に対応した検討をより重点的に行うために、自然資源だけではなく、人工資源の再生にむけて、組織が果たすべき役割を具体的に検討する。さらに、組織の構成員が、5年間の活動を通じて、近隣住区内で完結しない多様で選択的な個人のネットワークを形成することができたのか、また、こうした活動はニュータウンに居住する個人にとってネットワーク形成以外にどのような効果があったのか、構成員に対するインタビュー調査を通じて分析を行う。
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Research Products
(2 results)