2011 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な低未利用地の再生・管理と良好な景観の維持管理に関する検討
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22760461
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
宮川 智子 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30351240)
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Keywords | 空き地・空き家 / 集落景観 / 景観管理 |
Research Abstract |
H23年度は、まちなみが現存する御坊市旧御坊町において、空き地・空き家の現状について把握を行った。上川・下川より北を北部、南を南部として、空き家の件数だけで北部に72件と空き家の60%が集まっているが、全筆数をふまえると北部の空き家率は11%、南部の空き家は12%とあまり変わりないが、空き地は北部が約4割であるのに対し、南部は6割近くと多く、駐車場は南部が21%と北部の79%に比べ3倍以上の差があることから、南部の方が土地が活用されていないことが伺える。結果から、空き地、空き家、駐車場が集中するところは3箇所あり、いずれも調査範囲の周縁部であった。一方、中心部にあたる日高別院や商店街には空き地・空き家が少なく、利活用されやすいことが伺える。 旧御坊町の北部は空き地、空き家のままで残っている場所は少なく、駐車場に変わっているところが多く見られた。その背景として、旧御坊町や日高別院がある北部は商業や観光の中心であり、人の往来も多く、紀州鉄道西御坊駅があるため交通の便が良いことなどが挙げられる。一方、南部には空き地、空き家が集中しており、またそれらが占める割合も高くなっている。その原因として、北部に比べ南部の敷地の面積が小さいこと、また、道が狭いため、交通面における課題があることが伺える。 結果から、H22は農由漁村である白浜町中地区と同様に、空き地、空き家、駐車場には集落やまちの周縁部に集中する傾向があり、地域や商業・産業の中心部から離れており交通アクセスの課題もあるため、利活用が難しいことが推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に挙げていた農山漁村およびまちなみにおける2か所での調査実施および結果の分析について、完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象地をH22年度は、計画通りに農山漁村で行った。H23年度は、H24年度に予定していたまちなみのある調査地において行った。すでに計画予定地での結果は得られたため、H24年度は、同じくまちなみのある調査地での調査を当初予定していたが、空間スケールの異なるところでの把握を行うため、農山漁村とまちなみの中間に位置する調査地にて実施予定である。
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