2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760468
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
孔 相権 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (80514231)
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Keywords | 看取り / QOD(Quality of Death) / 要介護高齢者 / 個室ユニット |
Research Abstract |
本年度の主要な研究実績を以下に記載する。 1.質的評価手法の検討 QOL及びQODの質的評価手法を検討するため、文献調査及び学会等の勉強会に参加し質的方法についての理解を深めた。 2.フィールドとの関係構築 ワークショップ開催するため、調査対象施設であるA病院を多数訪問し、ファシリテーターを担当する現場職員と実施するワークショップである『ワールドカフェ』の勉強会行い、ワークショップの準備を共同で行った。 3.プレワークショップ開催による適合可否の検討 職員参加型ワークショップを実施するにあたり『ワールドカフェ』が最適なワークショップ手法かどうか検討するため、調査対象施設のA病院においてプレワークショップを開催した。実際に現場職員から参加者を募り26名が参加した。「A病院でできることできないこと」をワークショップのテーマとし、4テーブル(各テーブル:ホスト1名、ゲスト5~6名)4ピリオド((カフェタイム25分+移動・休息5分)×4回)でプレ職員参加型ワークショップを実施した。 4.プレワークショップの結果の分析と本ワークショップの準備 プレワークショップの結果を分析し、日本建築学会大会の発表原稿を執筆しアクセプトされた。平成24年度にプレワークショップの結果を学会発表する。それと同時にプレワークショップの結果を現場にフィードバックし、本ワークショップのテーマ設定をお行い、職員と合議の結果、『看取りとケア』、『看取りと療養環境』、『看取りと人間関係』という3つのテーマで本ワークショップを実施することを決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は調査対象施設の共同研究担当者の変更等により研究実施が遅れ、科研費を繰り越す結果となったが、本年度は順調に研究が進捗した。進捗したと判断した理由としては、プレワークショップが成功裏に終わったこと、本ワークショップのテーマが決定したこと及びワークショップのおおよその日程が定まったことが理由である。来年度については現在の予定通り本ワークショップを実施することにより、当初の研究計画通り研究を完結できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ワークショップ手法として『ワールドカフェ』を選択した。研究者がワークショップ内容に影響を与えぬようにファシリテーターを現場職員に任せることにしたが、ファシリテーターが現場職員であるが故に、会話内容がテーマから逸脱し普通の雑談のようになった場合、1テーブルそのもののワークショップ内容が全くコントロールできなくなった事例がプレワークショップで確認できた。研究者が自身の得たい結論にワークショップの内容を誘導する危険性は皆無なのであるが、データの質という面においては非常に効率が悪い結果となった。研究者がどの程度ワークショップに介入すべきなのか今後検討する必要があると考えている。手法に対する試行錯誤は必要であるが、現場職員と共同で看取りと看取る場所に対する課題を明らかにするという研究の方向性は間違っていないと考えるため今後も継続的に本研究課題にアプローチしていきたい。
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