2010 Fiscal Year Annual Research Report
フエの歴史的環境保全と関連する周辺集落における段階的再定住手法に関する研究
Project/Area Number |
22760472
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古川 尚彬 早稲田大学, 理工学術院, 研究員 (80454106)
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Keywords | 歴史的環境 / 世界遺産 / 水環境 / 再定住 / 開発途上国 / ベトナム / フエ |
Research Abstract |
1.ベトナム・フエにおける歴史的環境周辺の集落の再定住に関する調査・研究 フエ市とその近郊において実施済みの再定住事業の実績(投資,事業範囲,定住率,環境社会影響評価)をデータベース化し,また,すでに事業によって居住地移転した居住者の生活実態調査も実施した.その結果を元に,居住地移転した場合の生活シーンを仮に作成した.さらには,実際に居住地移転した際の居住者を取り巻く状況の変化を詳細に記録し,再定住対象となっている人々の生活場所の変化に伴う心境や考えの変化を詳細に記録し,事業データベースを作成するための情報整理を行った. 2.阮朝の歴代皇帝陵周辺集落における歴史的な水環境の実態とその利用に関する研究 歴代皇帝陵周辺集落における歴史的な水環境,特に周辺住民によって管理されている水田の取水排水の実態と,周辺の山から河川への排水に至るまでの流水経路の特定把握を行った.これによって,歴史的環境と一体となった水環境があることと,その管理主体としての住民による生産活動の存在が明らかにされた. 以上のように,歴代皇帝陵周辺における歴史的な水環境と住民生活の間にある関係性に着目し,住民が持続可能に歴史的環境周辺で生活することの価値を明確化することができた.その上で,周辺集落民の生活空間と住まい方の実態,今後の生活意向を記録し,データベース化するための調査情報の整理を行った. 3.阮朝の歴代皇帝陵周辺集落における歴史的な水環境の保全と再生に関するガイドライン案の作成 ユネスコ世界遺産に登録されている歴代皇帝陵だけではなく,周辺の集落を含めた住環境も一体となった歴史的環境の保全と再生に関する計画手法としてガイドライン案を作成し,現地の人民委員会に対して提案した.
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Research Products
(1 results)