2010 Fiscal Year Annual Research Report
台湾の社区営造におけるコミュニティ財の循環を通した都市デザインの展開に関する研究
Project/Area Number |
22760473
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 宏亮 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (10449332)
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Keywords | 社区営造 / 台湾 / コミュニティ財 / 共有空間 / 都市デザイン |
Research Abstract |
縮減社会を迎え、都市デザインの質的向上が社会的要請となりつつある中、コミュニティ財が地域を循環する過程が都市デザインの展開に及ぼす影響に着目し、生活の場から繊細で確かな都市デザインへと結実させていく計画理論の構築を目指した。 本研究では計画理論構築の手掛かりを台湾のまちづくり(社区営造)に見出し、1)コミュニティ財の活用が生活の場において地域住民の創造性を発現させること、2)コミュニティ財の循環が断片的な都市デザインの諸相を束ねて総合化していくこと、の2点を台湾における研究協力者との議論や現地調査を通して明らかにすることを目的とした。 本年度は研究の1年目であり、1)社区営造の事例抽出と分析の枠組みの設定、2)事例調査、3)社区営造の概念整理と制度的枠組みの整理、4)コミュニティ財の活用の実態と課題の把握、を行なった。 社区営造の事例抽出と分析の枠組みの設定においては、台湾において出版されている文献資料等を現地研究者との連携のもとに精査し、情報収集を行ない、社区営造の動向の把握と調査分析の対象とする事例の抽出を行なった。 抽出した対象地に対して、2010年10月、および12月の2回に分けて、現地視察およびインタビュー調査を行なった。インタビュー調査では、社区営造の経緯や取り組みの内容とともに、コミュニティ財の形態、規模、財源、運営方法等にフォーカスを当てて調査分析を行い、活用の実態と課題について整理した。 得られた成果を分類整理し、次年度調査へ向けて研究の枠組みを再設定した。次年度は、台湾における社区営造におけるコミュニティ財の活用と都市デザインへの展開を整理し、計画理論の構築へとつなげて行く予定である。
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