2011 Fiscal Year Annual Research Report
台湾の社区営造におけるコミュニティ財の循環を通した都市デザインの展開に関する研究
Project/Area Number |
22760473
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 宏亮 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (10449332)
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Keywords | 社区造営 / 台湾 / コミュニティ財 / 共有空間 / 都市デザイン |
Research Abstract |
都市デザインの質的向上が社会的要請となりつつある中、コミュニティ財が地域を循環する過程が都市デザインの展開に及ぼす影響に着目し、生活の場から繊細で確かな都市デザインへと結実させていく計画理論の構築を目標として研究を進めた。 本年度は、昨年度調査の成果をもとに分析の枠組みを設定し、重点的に詳細調査を行う研究対象地を2地域選定したこの2地域について、現地における視察、資料収集、ヒアリング調査を詳細に行った。現地調査においては、1)これまでの対象地域における社区営造の取り組みと空間づくりへと結実している成果の概要を把握し、2)個別のプロジェクトを進行していくための組織体制や財源の確保、意思決定のプロセス、3)さらに、このようなプロジェクトを積み上げていく過程において、地域自治や参加の仕組みが構築されていくプロセス、およびその課題などを把握し、住民の主体的参加、創造性の発揮、具体的な成果と空間の質などの観点から整理した。 現地調査の結果をもとに、コミュニティ財の循環による都市デザインの展開の可能性について、台湾の研究協力者との意見交換を行い、我が国の様々なまちづくりの体制や財源、行政との相互関係などの視点から比較分析を行った。特に、台湾における社区営造を担う組織である「社区発展協会」の法的位置づけや組織としての正統性、他の地縁組織との役割分担や相互補完関係などについて我が国における地縁的組織との比較を行うとこもに、社区営造の重要な財源となっている「雇工購料」が担保する社区の自立性や独自財源の確保に着目しながら、我が国のコミュニティ自治を基礎とした都市デザインとの比較分析を行い、都市デザインに関する計画理論の修正に向けた検討を行った。
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Research Products
(2 results)