2010 Fiscal Year Annual Research Report
「都市再開発」成立期の日米現代都市史の比較横断的研究
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22760484
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
初田 香成 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (70545780)
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Keywords | 再開発 / 修復 / 保全 / 都市史 / ニューヨーク / 坂出 / 都市デザイン / 建築史 |
Research Abstract |
平成22年度前半は、それまで行ってきた研究の知見を生かしつつ、日本国内において用語「都市再開発」が誕生し、その概念が定着するまでをまとめる作業を行った。具体的には、用語「都市再開発」は1950年頃に生まれ、高度経済成長期前半に様々な主体が自らの意図を込めて多様な意味で使用することで普及したのであり、1960年代後半にはそれらが収束することで、現在に至っていた。そして、この過程では建築家や都市計画官僚による新たな都市像の模索があり、それらの一部の断念と引き替えに現状があることを明らかにした。以上の成果は、7月に出版された吉田伸之・伊藤毅編『伝統都市3インフラ』(東京大学出版会、287頁)に、「都市再開発」として収録されている(191~214頁)。 同年度後半にはアメリカ東海岸諸都市を訪ねて、現地調査と資料収集を行った。具体的には、ボストン(Boston Public library、マサチューセッツ工科大学Rotch library、ハーバード大学Frances Loeb Library)、ニューヨーク(ニューヨーク歴史協会図書室)、ボルチモア(Enoch Pratt free library)、フィラデルフィア(Free library of Philadelphia、ペンシルベニア州立大学Van Pelt library、同大学Fine Arts library)を訪ねた。同時代の都市再開発対象地を現地調査するとともに、各地、各大学において史料調査を行ったほか、当地の都市史、都市計画史に関する最新の研究状況を把握した。 また来年度にはこうした成果を一部まとめて、初田香成『都市の戦後雑踏のなかの都市計画と建築』(東京大学出版会、404頁)として出版する予定である。
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Research Products
(3 results)