2011 Fiscal Year Annual Research Report
「都市再開発」成立期の日米現代都市史の比較横断的研究
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22760484
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
初田 香成 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70545780)
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Keywords | 再開発 / 修復 / 保全 / 都市史 / ニューヨーク / 稚内 / 都市デザイン / 建築史 |
Research Abstract |
「都市再開発」成立期(1940~60年代)の日米両国の都市史の比較横断的研究を行うという目的の下、平成23年度は(1)日本における都市再開発を事例とした研究、(2)ニューヨークにおける資料収集とインタビュー、現地調査、(3)これまで行ってきた研究の知見に新たな資料を加えての審査論文の発表と書籍出版、という大きく三つの作業を行った。 (1)については新宿西口広場再開発、稚内市の都市不燃化運動、新宿歌舞伎町の戦災復興区画整理について資料収集と事例研究を行い、それぞれ『60プロジェクトによむ日本の都市づくり』(都市計画学会)、建築学会前現代の都市・建築遺産の計画学的研究[若手奨励]特別研究委員会での発表、国際的・都市史観点からみた都市再生論[若手奨励]特別研究委員会報告書という形で公表を行った。この結果、駅前空間における日本的な都市デザインの試みの特徴、1950年代の同運動の地方都市における多様な側面、東京・山の手における土地権利関係者の観点からの当該期の都市空間形成の実態などを明らかにした。そして、歴史的に形成された各都市に固有の土地事情や土地観が都市空間形成に与える影響という、比較時の重要な視点を確認した。 (2)については昨年度のアメリカ東海岸諸都市の調査を踏まえて研究対象都市をニューヨークに設定し、2012年1月30日から2月5日にかけて現地で資料及び実地調査を行った。またコロンビア大学のプランツ教授にインタビューを行い、意見交換を行った。対象地区を絞り込むとともに、行政による都市再開発や公的住宅建設については研究の蓄積が進んでいるものの、研究代表者が日本で行ってきたような地元・民間による漸進的な再開発についての研究が課題であることを確認した。 (3)については、『都市の戦後雑踏のなかの都市計画と建築』(東京大学出版会)を出版したほか、2本の建築学会計画系論文集での発表、建築史学会での発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ研究計画通りに進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
既に記したように、歴史的に形成された各都市に固有の土地事情や土地観が都市空間形成に与える影響という視点から、とくにニューヨークにおける研究を重点的に推進する。
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Research Products
(6 results)