2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760485
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
早見 洋平 信州大学, 工学部, 准教授 (90362102)
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Keywords | 都市形成 / 西陣 / 北野 / 町境 / 隣地境界線 / 街区 / 洛中絵図 / 木戸 |
Research Abstract |
1、史料の収集:近世初頭・上京の不動産関係史料を体系的に把握するために、資料館所蔵史料の複写、刊本の購入により、史料の収集をすすめた。 2、町境の位置と形態の把握:土地が「街区」や「敷地」といった不動産として取り扱われるにいたる過程を理解するため、多くの辻子を含みもち変則的な街路からなる上京における町域がどのような形態をなしていたか、検討した。近世初頭の実測地図である「洛中絵図」等を用いた。この際、通りにおける木戸の布置と、街区内奥部における境界の存否に着目した。その結果、西陣地域と寺町通などにおいて特徴的な木戸の布置が捕捉できた。引き続き、そうした木戸をもつ町域の形成過程について、調査をすすめたい。また、町の存否を判断する目安である町名に着目した。その結果、同一場所についてさまざまな年代の地図を比較したところ、両側町1町分程度にあてがわれている町名と、その倍ほどの範囲にあてがわれている町名とが見出された。その都度、町が合併・分割したとは考えにくいことから、町という単位と町名との対応がゆらいだ。引き続き、町名と町域との対応について、調査をすすめたい。 3、北野天満宮、聚楽第、寺町・寺之内に関する文献調査・研究史調査:まだらに重層的な上京の都市形成過程において、不動産関係文書を整合的に理解するため、それぞれの層(都市形成のきっかけ)の特性を理解しておく必要があった。具体的には、北野天満宮周辺の都市化の進行、聚楽第の建設と破壊、寺町・寺之内の建設、西陣地域の形成過程に関する、既往研究の把握と一次史料の所在確認をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画のうち、史料調査をあらかた終え、その分析に着手した。その結果、特記される木戸の付置と不確定的な町域という、相反する状況を近世前半の上京地域に見出した。このことから、おおむね順調と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
1、町名と町域との対応について、調査をすすめる。 2、北野天満宮周辺の都市化の進行、聚楽第の建設と破壊、寺町・寺之内の建設、西陣地域の形成過程に関する、調査をすすめる。
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