2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760485
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
早見 洋平 信州大学, 工学部, 准教授 (90362102)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 都市形成 / 西陣 / 北野 / 隣地境界線 / 街区 / 洛中絵図 |
Research Abstract |
1、土地が「街区」や「敷地」といった不動産として取り扱われるにいたる過程を理解するため、多くの辻子を含みもち変則的な街路からなる上京における町域がどのような形態をなしていたか、検討した。近世初頭の実測地図である「洛中絵図」等を用いた。この際、通りにおける木戸の布置と、街区内奥部における境界の存否に着目した。その結果、西陣地域と寺町通などにおいて特徴的な木戸の布置が捕捉できた。 2、町の存否を判断する目安として、町名に着目した。同一場所についてさまざまな年代の地図を比較した結果、両側町1町分程度にあてがわれている町名と、その倍ほどの範囲にあてがわれている町名とが見出された。地図作成のたびに町が合併・分割したとは考えにくいことから、町という単位と町名との対応がゆらいだ。 3、重層的な上京の都市形成過程において、不動産関係文書を整合的に理解するため、それぞれの層(都市形成のきっかけ)の特性を理解しておく必要があった。具体的には、北野天満宮周辺の都市化の進行、聚楽第の建設と破壊、寺町・寺之内の建設、西陣地域の形成過程に関する、既往研究の把握と一次史料の所在確認をすすめた。 4、特記された木戸と不確定的な町域という、相反する状況を近世前半の上京地域に見出した。遍在した木戸のうちの一部が、「洛中絵図」に特記されたとの見通しにもとづいて、その理由を当該期の都市状況に求めた。しかし、それに該当する出来事(祭礼、巡行、争論、土木工事など)が特定できていない。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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