2012 Fiscal Year Annual Research Report
二元系遷移金属酸化物における電界誘起抵抗変化現象の機構解明
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22760519
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 宏平 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (50525855)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 抵抗変化メモリー / 酸化物デバイス / 酸化還元 / ナノワイヤ / 光電子分光 / 電荷秩序 |
Research Abstract |
遷移金属酸化物で発現する不揮発性抵抗変化現象のメカニズム解明、特に、酸化還元反応の関与を実験的に明らかにすることを目的としている。本年度は、これまでに構築したNiナノワイヤ型デバイス(細線幅 340 nm)に対し、放射光ナノビームを用いた光電子分光を行い(SPring-8 BL07LSU)、デバイス動作に伴うNiの電子状態変化を追跡した。初期低抵抗状態では、金属Niであることを反映しフェルミレベルに状態密度が観測された。予備実験からNiの酸化が示唆されていた高抵抗状態において、状態密度が消失したNiO相当のスペクトルが得られたことから、絶縁性NiOの生成が高抵抗化の起源であることが明らかとなった。電圧印加により伝導性を回復した低抵抗状態のスペクトルを詳細に解析したところ、金属Niの再生を示す状態密度を捉えることに成功した。これらの結果は、スイッチング現象の本質がナノスケール酸化還元であることを直接的に示すものであり、メカニズム全貌解明へと導く重要な成果と言える。これまでの膨大な研究データに対し、酸化還元の視点から特性の材料依存性や不純物添加の役割などを理解することで、高性能デバイスを実現する指導原理の構築へとつながるものと確信している。 プロジェクトで整備したデバイス評価システムを応用する形で、発展課題として、電子のみの相変化(電子相変化)を原理とする高速・高耐久・省電力デバイス機能の探索に取り組んだ。室温での電子相変化を可能にするユニークな電子状態として、層状鉄酸化物LuFe2O4の高温電荷秩序に着目し、その薄膜を作製し輸送特性を評価した。これまでバルクでしか確認されていなかった電界誘起伝導スイッチング現象を薄膜試料で初めて観測することに成功した。より高度なデバイス構造への展開、例えば電界効果トランジスタ、を通して、電子相変化デバイスの可能性を追求していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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