2010 Fiscal Year Annual Research Report
負膨張材料の複合化による膨張係数がゼロのバルク金属ガラス創製および加工性評価
Project/Area Number |
22760523
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺島 岳史 大阪大学, 接合科学研究所, 特任助教 (10402992)
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Keywords | 金属ガラス / プラズマ放電焼結 / 複合材料 / アモルファス / 負膨張係数 / ゼロ膨張係数 / SPS / ZrW_2O_8 |
Research Abstract |
本研究は金属ガラス(バルクアモルファス合金)Fe_<43>Cr_<16>Mo_<16>C_<15>B_<10>と、負の膨張係数を示すセラミックスZrW_2O_8をプラズマ放電焼結で複合化して膨張係数がゼロの新材料を創成することを目的とする。当該年度は原料粉末の合成およびプラズマ放電焼結による試料作製を中心に以下の項目を実施した。(1)ZrW_2O_8の合成はZrO_2とWO_3の混合粉末タブレットをPt箔で包み、電気炉で1523K、48時間固相拡散反応させ、その後試料を取り出して直ちに水中投下して行った。得られたバルク体は機械的に粉砕して平均粒径φ10μmの粉末を得た。(2)Fe_<43>Cr_<16>Mo_<16>C_<15>B_<10>金属ガラス母合金は所定量の原材料(Fe、Cr、Mo、C、B)をアーク溶解炉で溶解して作製した。その後ガスアトマイズ法(噴霧冷却)でガラス化および粉末化して平均粒径φ6μmのアモルファス粉末を得た。Fe_<43>Cr_<16>Mo_<16>C_<15>B_<10>金属ガラスのガラス転位温度、結晶化温度はそれぞれ875K、941Kであった。(3)Fe_<43>Cr_<16>Mo_<16>C_<15>B_<10>金属ガラスのバルク焼結体が得られる焼結温度と時間を把握するために、結晶化に関するTTTダイアグラム(等温変態線図)を作製した。充填率90%以上のアモルファスバルクは873K以上で得られ、特に893Kでは約2分間の過冷却状態の潜伏時間があることが分かった。
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Research Products
(3 results)