2010 Fiscal Year Annual Research Report
ギガパスカル超高圧合成法によりLiドープされた水素化物高圧相の安定化機構の解明
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22760527
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀川 厚則 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90292242)
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Keywords | 水素化物 / 高圧合成 / 相変態 / 新エネルギー / 水素 |
Research Abstract |
本年度は、LiドープREH_3高圧相の熱的安定性と水素吸放出可逆性の検討を行った。Y,Gdは常圧下で六方晶系(HCP)の結晶構造を有するものがあり、YH_3は約8GPa以上ではFCC構造の超高圧相が安定で、また常圧下では安定ではない。本研究ではY-Li系水素化物の探索において、Y水素化物にLiが10mol%程度ドープされることにより、YH_3単体より低圧の5GPaでFCC三水素化物を合成することに成功し、常圧下でもHCP構造に戻らずFCC構造の高圧相が得ら、また常圧下でも安定であることを見いだした。次に、YのほかGd,Dyなどの三水素化物の常圧における安定相が六方晶の元素について、超高圧合成法によりLiドープを試み、得られた高圧水素化物相(FCC)について、熱的安定性と水素吸放出の可逆性について調査したところ、Y三水素化物と同様に、Gd,DyでもLiドープによりGPaオーダーの範囲でより低圧でFCC相変態することが分かった。これらの機構解明のため、結晶構造の解析を行っているが、構成元素のLiが軽量であるために、十分なX線回折強度を得られず、結晶構造の精密解析には課題を残した。 一方、超高圧合成法によるLiドープTM水素化物の結晶構造と安定性の検討(TM=Cr~Zr) についても。検討を開始し、Li-TM-H系およびTM-H系でこれまでにない結晶構造の相が観察され、今後は合成条件や、結晶構造解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)