2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁気ヘッドと探針ピエゾ駆動ホルダを用いた透過電顕内交流磁場印加その場観察法の確立
Project/Area Number |
22760528
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤瀬 善太郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90372317)
|
Keywords | 透過電子顕微鏡 / 磁気ヘッド / 探針ピエゾ駆動ホルダ / 交流磁場印加 / その場観察 / 電子線ホログラフィー |
Research Abstract |
軟磁性材料の多くは交流磁場等の動的磁場下で利用されるが、動的磁場下でのTEM観察法はこれまで無かった。そこで、2006年以降、我々はTEM内で動的に磁場印加するシステムと観察手法を新たに確立し、観察を行っている。本研究課題はその研究を発展させて「より高周波の磁場」を印加できるようにするために新たな磁場印加方法の確立を目指すものである。具体的にはピエゾ駆動プローブを備えたTEM試料ホルダのプローブにハードディスク書き込み用の磁気ヘッドを取り付け、TEM内の任意の場所に局所的な磁場を発生させつつ観察する手法の確立を目指している。 今年度は「TEM内にセットする磁気ヘッドが作り出す磁場の精密評価」を重点的に研究を進めた。実際に磁気ヘッドをTEM観察すると、磁極がデバイスに埋め込まれている形状のせいで磁極位置を特定するのが予想よりも難しいことがわかったので、薬品によるエッチングと集束イオンビーム(FIB)加工を組み合わせ、磁極の周りを削って、磁極をTEMで直接観察できるようにした。こうして加工を施した磁気ヘッドを一探針ピエゾ駆動ホルダに固定・配線し、TEMに挿入して通電させ、発生した磁場分布を電子線ホログラムに記録した。 空間に広がる磁束分布を電子線ホログラフィーで解析する場合、参照波領域の電子位相も磁場によりシフトしているため、その効果を考慮した解析が必要となる。そこで、エルフ社の磁場解析ソフトELF/搬GICを新たに導入し、積分要素法を用いた磁場解析ができるように整備した。
|