2012 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡第一原理計算を基盤とした電流密度計算による燃料電池メゾスケールモデリング
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22760534
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多田 朋史 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40376512)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 第一原理計算 / 非平衡グリーン関数 / 燃料電池 / 燃料酸化反応 / 動的モンテカルロ |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、固体酸化物形燃料電池のNi/YSZを研究対象とし、燃料酸化反応の反応経路解析を電極の存在を取り込んだ第一原理計算で実行し、そこから得られる電気化学反応素過程の速度論的情報を動的モンテカルロ計算に取り込むことで、3次元電極実構造を反映した形で、交換電流密度のメソスケールシミュレーションを達成することである。研究実施計画にもとづき最終年度である昨年度は動的モンテカルロ計算をメソスケールで実行するための並列化動的モンテカルロプログラム作成に注力し、主にそのコード開発を行ってきた。その成果として、任意のユニット構造体を三次元的に積み上げ、その巨大構造体に対して発生可能な反応・イオン移動イベントをリストアップし動的モンテカルロ計算が実行できるものとして開発することに成功し、さらにはこの計算プログラムが並列化されて実行されるため、通常の動的モンテカルロ計算では到達しえない時間・空間スケールのダイナミクスを行えるという特徴を有するものとなった。ただし、この並列化への取り組みは当初想定していたものより大変困難を極め、特に動的モンテカルロアルゴリズムと並列化アルゴリズムに内在する相反するコンセプトが存在することから、並列化を導入する上でアルゴリズムの変更を検討する必要性が生じた。このため、プログラム開発に今年度の時間のほとんどを割いてしまったため電流密度算出に関してはテストプログラム程度の結果のみが得られたという状況であるが、当初の目的である並列化大規模動的モンテカルロ計算プログラムの開発と実行にまで到達したという点において十分な成果が得られたと言える。このメソスケール動的モンテカルロシミュレーションプログラムの有効性は、燃料電池研究はもちろんさらに多方面における適用が想定できここでの成果は大変大きいものと言える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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