2010 Fiscal Year Annual Research Report
高キャリア濃度を有するアニオン伝導性高分子の合成と燃料電池への展開
Project/Area Number |
22760536
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田中 学 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (00531831)
|
Keywords | 高分子電解質 / アニオン伝導 / 燃料電池 / アイオノマー / イオン導電率 / アンモニオ基 / ポリエーテルスルホン / フルオレニル基 |
Research Abstract |
新規アニオン伝導性電解質の構造として、熱的・機械的・化学的に優れた安定性を有するポリエーテル構浩および高いアニオン伝導性を示す4級アンモニウム基を選択した。電解質の高キャリア濃度化を目指して、嵩高く剛直な構造で、アンモニウム基を局所的かつ密度高く導入することができるフルオレニル基に着目し、側鎖にフルオレニル基を導入した電解質を分子設計した。種々の主鎖構造、イオン交換容量を有する新規アニオン伝導性高分子を合成し、水酸化物イオン導電率や熱物性、機械強度測定をはじめとする各種電解質特性を通して分子構造と電解質特性の相関を明らかにした。 具体的には以下を実施した。 1)主鎖構造としてポリアリーレンエーテルスルホンを合成した。続いてアンモニウム基導入に向けたクロロメチル化反応の条件を最適化し、高キャリア濃度(すなわちイオン交換容量IEC)を有する新規アニオン伝導性電解質を得た。その際、分子量やIECの異なる一連の電解質もあわせて合成した。 2)新規材料の特性を明らかにするため、各種測定や安定性試験、すなわち水酸化物イオン導電率および含水率測定、熱物性評価や機械強度測定などを行った。また、水中または高温下での長期安定性試験など、新規アニオン伝導性電解質の基礎物性を明らかにした。 3)高分子電解質構造(主鎖骨格、分子量、IEC)と各種物性の相関を議論し、さらなる導電特性、安定性向上に向けた指針を得た。さらに、本年度で得られた成果を踏まえ、次年度に向けた新たな分子設計を行った。
|
Research Products
(4 results)