2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境TEMを用いたタングステン酸化物ナノ構造体の成長メカニズムの解明と成長制御
Project/Area Number |
22760537
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
徳永 智春 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (90467332)
|
Keywords | タングステン酸化物 / ナノロッド / 透過電子顕微鏡 |
Research Abstract |
2010年度には,タングステン表面に存在する自然酸化膜がタングステン酸化物ナノロッドの成長に必要不可欠であることを明らかにした.今年度はタングステン基板上の自然酸化膜存在領域をコントロールし,タングステン酸化物ナノロッドの選択成長を目的とし研究を遂行した.まず,有機洗浄されたタングステン薄板を集束イオンビーム(FIB: Focused Ion Beam)装置内に導入し,イオンビームにより表面に存在する酸化膜を選択的に除去した.その後,基板をFIB装置から取り出し,酸素ガスに置換された炉内で加熱した.加熱後のタングステン基板表面を走査電子顕微鏡(SEM: Scanning Electron Microscopy)により観察した結果,イオンビームにより酸化膜を除去した領域にはナノロッドは成長せず,酸化膜を残した領域にのみナノロッドが成長し,イオンビームを用いた場合でも選択成長が可能であることが明らかになった.また,碁盤の目状のパターンを作製し,酸化膜を除去した結果,碁盤の目状に選択的に成長させることに成功した.この結果から,FIBを用いることで,容易にパターニング成長させることが可能であることが判明した.パターニング成長させることが可能であるため,タングステン酸化物ナノロッド一本の特性を調査が容易になり,タングステン酸化物ナノロッドの径がナノロッドの電気的特性に与える影響を解明することが可能となる.また,パターニングされた基板はすぐさまデバイスへの応用が可能であり電界放出ディスプレイや,ガスセンサーへの適用が期待される.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
透過電子顕微鏡による成長過程をナノレベルで観察することに成功し,成長に不可欠な要因を明らかにすることができたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
タングステン基板上へのパターニングが実現したため,電子顕微鏡内においてタングステン酸化物ナノロッド一本に電極を接触させ,単体の電気的特性の評価を行う.更には電界放出源やガスセンサーといったアプリケーション化を検討する.
|
Research Products
(4 results)