2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境TEMを用いたタングステン酸化物ナノ構造体の成長メカニズムの解明と成長制御
Project/Area Number |
22760537
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
徳永 智春 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90467332)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ナノロッド / タングステン / 電流測定 |
Research Abstract |
一般的に,バルク状のタングステン三酸化物(以下,WO3)は半導体の性質を有しており,そのバンドギャップは2.8eVと言われている.しかし,本研究において得られているWO3ナノロッドは,多数の積層欠陥を内部に有し,更にナノスケールのロッド構造であるため,バルクとは異なる特性を有していることが考えられた.そこで,本年度は,本研究において成長に成功している積層欠陥を多数有するタングステン酸化物ナノロッドの電気的特性(本研究では電流-電圧測定(以下,I-V測定))を測定し,一般的に言及されているバルク状のWO3との特性の比較を行った. 電気的特性に用いた試料は次の方法で作成された.まず,タングステン基板上にWO3ナノロッドを成長させた.この基板を,金を蒸着させたタングステン針にこすりつけ,基板上に成長しているWO3ナノロッドを金の蒸着膜中に差し込んだ.タングステン針をTEM用電極ホルダーの一端に設置し,ホルダーをTEM内部に挿入したあと,金電極をナノロッド一本に直接接触させて二端子による電流電圧特性(I-V測定)を測定した.測定中の明確な温度は不明であるが,TEMが設置されている実験室の室温と同様と考えている.また,測定中は観察用電子線の試料照射を停止しているため,電子線照射による影響は排除されている. I-V特性を測定した結果,金属などの導体に見られる,電圧の上昇と共に電流が比例的に増加するオーミック特性が観測された.WO3は半導体的性質を有するといわれていることから,オーミック特性ではなく,ショットキー特性を示すと考えられる.しかし,オーミック特性が得られたことから,本研究で得られたWO3ナノロッドはサイズ効果,あるいは内部に多数存在する積層欠陥により導体的特性が得られたと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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